来年開催のアジア・アジアパラ競技大会 ボランティア足りず…「関心の低さ」浮き彫りに 名古屋市は奔走
2025年4月11日 19:15
愛知を中心に開かれる、アジア・アジアパラ競技大会。開催は来年に迫っていますが、「市民参加」の面で課題を抱えているようです。
愛知県と名古屋市が共同で開催する、アジア・アジアパラ競技大会。
来年の9月から10月にかけ、愛知県を中心に各地でさまざまな競技が行われます。
組織委員会は「大会の成功に欠かせない」として、競技運営のサポートや観客の案内などを担うボランティア、4万人を去年10月から募集。
事前の研修が必要なため、募集の締め切りを「1月末」としていましたが、思うように人が集まらず4月末に延長。
全体の応募数は明らかにされていませんが、名古屋市によりますと、名古屋市内で活動するボランティアは、募集する9780人のうち5207人と、半分ほどしか集まっていません。

広沢市長自ら、ボランティア募集のビラ配りに参加
「関心の低さ」が浮き彫りに
そこで名古屋市は――
「残り1カ月で約1万人を達成しないといけない。我々ほどビラ配りが上手な人はいないということなので、頑張っていきましょう」(名古屋市 広沢一郎市長)
3月30日、広沢市長自ら、ボランティア募集のビラ配りに。
ビラを受け取った人に聞いてみると――
Q.大会が開催されることは知っていた
「知らなかった」(ビラを受け取った人)
「(大会の開催自体を)初めて知った。まだ下の子が3歳なので、手のかかる時期かなと。ボランティア自体に関心はない」(ビラを受け取った人)
大会の開催自体を「知らなかった」という人も。
「関心の低さ」が浮き彫りとなりました。

徳島県からボランティアの採用イベントに参加した人も
ボランティア希望者は、どんな理由で応募したのか
一方、ボランティアをしようとしている人は、どんな理由で応募したのでしょうか。
「(現在)高校3年生で、(来年)大学に入ったらボランティアとか、いろんなことを挑戦しようって決めていた。英語が好きなので活かして、言語ボランティアをやりたい」(参加者)
3月に開かれた、応募者に対するボランティアの採用イベント。
適性などを確認する、グループワークなどが行われました。
参加者の中には、徳島県から来たという人も。
「マンスリーマンションを借りて、1・2カ月住もうかなと。長らくパラスポーツの選手としてお世話になってきたので、その恩返しの意味も込めて参加した」(参加者)
組織委員会の担当者は――
「まずはいろんな方に応募いただいて、大会を作っていく仲間として歩んでいきたい。より大会の魅力を伝えていけたら」(アジア・アジアパラ競技大会組織委員会 ボランティア課 澤田良樹課長)
「ボランティア休暇」制度をアジア・アジアパラ競技大会も対象にすることを検討
名古屋市は職員への参加も促す
ボランティア集めに奔走する名古屋市は、職員への参加も促します。
名古屋市職員の「ボランティア休暇」制度。
ボランティアが目的だった場合、もともとの有給休暇に追加して最大5日間、有給で休みを取ることができます。
現在は、「災害復旧」など限られた内容がボランティアの対象でしたが、名古屋市は、この大会もボランティアの対象にすることを検討しているといいます。
「(ボランティアの応募数は)まだ半分しか集まっていないという状況なので、(締め切りまで)1カ月を切った中で、いかに効率よく集めていくかが課題」(広沢市長)
ボランティアの募集締め切りまで、あと19日。
果たして、目標の数には届くのでしょうか。