今年1月、地元京都の大文字山で誓った。
「人生を変える1年にしたい」
2018年0勝に終わりドン底を味わった男は2019年完全復活を果たした。
9勝をマークし自身初のタイトル最優秀防御率にも輝いた。
復活のウラに隠された進化が、フォームの「間」。
2018年の秋のキャンプで首脳陣から与えられた課題であり、2018年シーズン中にもセンターの大島洋平から「球速は出ていても全然球がいっているように見えない」と指摘されていた。
「間」を身に付けるために大野が取り組んだのが2段モーションへの変更。
そしてある人物の存在が「間」を掴むヒントとなっていた。
昨シーズン、リーグ2位の13勝を挙げたDeNAの今永昇太。
参考にしたポイントは2段モーションの1度右脚を上げた際に作るタメ。
このタメが「間」を掴むきっかけとなり、持ち味のストレートはバッターが狙っていてもなかなか前に飛ばないボールとなった。
さらに昨年のプレミア12で共に戦った今永とはある特別な感覚が一致した。
2人が初めて共感したというのが「左手の感覚」。
大野は「下半身も左投手なら右手の壁ももちろん大事だが一番意識しているのは左手の感覚。投球の修正は左手で調整する、左手の調子が良ければ他は考えなくていい。」と話す。
復活から経た進化、その先にあるのは自身の夢。
「東京でオリンピックがあり野球が復活して自分が選ばれるかもしれない、こんなチャンスはないすごく大事な1年になる。」
自身3度目の開幕投手に決まった男が、「人生を変える1年」に挑む。