Spoken!

放送内容

2020年12月18日放送分

「祝・最優秀中継ぎ投手賞 祖父江大輔スペシャル」

カテゴリー:野球



コロナ禍での開催となった激動の1年、8年ぶりのAクラス入りを成し遂げた中日ドラゴンズ。その立役者の1人が、‘竜のセットアッパー’祖父江大輔。
メ~テレではルーキー時代から新春特番に出演していただくなど深いご縁がある投手。今季は30HPの成績で、初の最優秀中継ぎ投手賞のタイトルに輝いた。
30HPだけでなく防御率1.79、与四球率1.25などずば抜けた結果を残した今シーズン。

祖父江「開幕が遅れたことで、やりたい練習ができた事が大きい」「投げる場所が固定されたことで、肩を作る回数が極端に減ったこと」「シュートを交えて、得意のスライダーの効果がアップした」などの活躍理由が挙げられた。

■「中学時代は卓球部!?」波瀾万丈な野球人生
小学4年で野球を始めた祖父江。中学生になり地元の硬式野球チームへ入部するも「練習についていけない」という理由でわずか一カ月で退部。中学の3年間は「卓球部」で過ごしたという。それでも野球好きな心は失われず、父親と公園で2人きりで練習を続けていった。

■高校で再び野球部へ!「あだ名は‘ジャージ’」「用語やルールが分からない」
愛知高校で再び野球部に入部した祖父江。入部直後、周りが中学時代の野球部のユニホームで練習する中で一人だけジャージで参加。そのためチームメイトから「ジャージ」と呼ばれるように!しかも野球に対する知識が小学生時代で止まっていたため、野球用語やルールに戸惑うこともあったという。
そして、高校時代のポジションは投手ではなく何と「ショート」。
祖父江「野球の花形はショートだと思ったから。」

■大学で投手の才能開花!初めてプロを意識
愛知大学に進学し、今度は「野球の花形は投手」という理由で投手転向した祖父江。そこから投手としての才能を開花しプロのスカウトが注目するまでに成長し、意気揚々とプロ志望届を提出。しかし、ドラフトで指名されることはなかった。

■試練の社会人時代を経て、26歳でドラゴンズへ!
トヨタ自動車に入り、社会人野球のレベルの高さを実感した祖父江。ここから必死に練習に取り組むも社会人2年目・3年目と連続してドラフト指名漏れ。自信を喪失し、プロを諦めかけた社会人4年目のドラフトで、憧れの中日ドラゴンズがドラフト5位で指名。その指名をテレビで見た瞬間、失っていた自信が即回復したという。

■今季一番興奮した試合
Aクラス入りがかかった11月5日のDeNA戦、沢村賞獲得が注目されていた大野雄大が先発し、試合途中に脚を痛めながらも7回無失点の好投を見せた。そして2点リードのまま迎えた9回、抑えのマウンドを託されたのが今年セットアッパーとして活躍し続けた祖父江。Aクラス入りと大野雄大の沢村賞に影響を及ぼす大事な局面でランナーを背負いながらも、見事無失点。試合を締めくくった瞬間、とびきりのガッツポーズを見せた。

■今年一番自信に繋がった試合
今シーズン限りで現役を引退した吉見一起が、今季初勝利をかけて臨んだ6月27日の広島戦。吉見は5回1失点の好投で勝ち投手の権利を得て降板し、祖父江が2番手のマウンドに立った。祖父江にとって吉見はトヨタ自動車の大先輩であり、チームの黄金期を支えた憧れのエース。そんな憧れの存在・吉見の勝ち星を自分が何度も消してしまっていると語る祖父江。「この試合、絶対失敗してはいけない」そんな強い思いでカープ打線を三者凡退に仕留めたことで大きな成長を遂げ、今シーズンの活躍へとつながっていった。

便利屋として長年活躍し、今年勝ちパターンの一角を任された祖父江。それでも、優勝のためとあれば「自分の立ち位置にはこだわらない」と話す。

祖父江「優勝できるのであれば、どんな場所で投げてもいい。自分は‘優勝のピース’になりたい」

8年ぶりのAクラス入りを果たし、次なる目標は『10年ぶりのリーグ制覇』その悲願を叶えるためにも、祖父江の活躍は欠かせない。