野球・侍ジャパンがついに掴んだ五輪での金メダル!今回は、内野守備・走塁コーチとしてチームを支えた井端弘和さんをゲストに迎え、東京五輪での激闘を振り返りました。
24名のメンバー選考にも携わったという井端さん。
井端「投手についての選考ポイントは、とにかくいま調子のいいピッチャーを軸に選びました。野手については、2019年のプレミア12のメンバーを軸に選考しました。野手で迷ったのがサードのポジション。巨人の岡本選手かヤクルトの村上選手か…議論を重ねた結果、走力もある村上選手を選出しました。」
開幕すると侍ジャパンは予選リーグ含め、負けなしの5戦全勝で金メダルを獲得。
しかし一戦一戦振り返れば、接戦の連続でした。
初戦のドミニカ共和国戦は9回で2点ビハインド。ここから一気に逆転し、サヨナラ勝ちを収めました。
井端「今回のトーナメントはとても変則的でした。負けたチームほど過酷なスケジュールになるため、予選リーグを首位で通過できたのは大きかったです。」
予選リーグ首位で通過した侍ジャパン。準々決勝のアメリカ戦も手に汗握る展開となりました。土壇場9回に追いつき、10回タイブレークの末、劇的な延長サヨナラ勝ち。井端さんは準々決勝を勝ち切ったことが一番のポイントだったといいます。
中でも印象に残ったシーンが…
井端「5対6と1点ビハインドで迎えた9回。1アウトランナー1塁で、浅村選手がライト前へヒット放ち、1塁3塁とチャンスを広げたシーンです。これで同点になる確率がぐっと上がりました。まさに理想的なバッティングで鳥肌が立ちました。金メダルを獲ったシーンよりも、この浅村選手のヒットの時が一番グッときました。」
事実、この浅村選手のヒットのあと、柳田選手の内野ゴロの間に日本は同点に追いつき、10回のサヨナラへとつながりました。
またこの試合、9回に登板し、1イニングをきっちり抑えた大野投手。
大会を通じて登板したのはこの1試合でしたが、驚きの起用法が明かされました。
井端「実は『試合に負けたら次の試合の先発は大野投手』というチームのオーダーが出ていました。それも『決勝戦まで』です。結果的にチームは5連勝したので、大野投手の先発はありませんでしたが、実は毎回毎回準備していたんです。唯一登板した準々決勝のアメリカ戦についてもあのまま負けていたら、翌日の試合は大野投手が先発でした。大野投手の精神的な負担は、計り知れないものがあったと思います。」
そんな大野投手の『目に見えない所』での活躍もあり、準決勝は韓国を、決勝は再びアメリカを破り、悲願の金メダルを獲得しました。
井端「五輪の経験はとても貴重な経験。大野投手には、今大会の経験をドラゴンズの選手たちに還元してほしい。」
侍ジャパンが金メダルを獲り、リーグ再開後も盛り上がりを見せるプロ野球。われらが大野投手の活躍、そしてドラゴンズの勝利を期待しましょう!