東京五輪から新競技として採用される『スケートボード』
街中にあるような直線的なコースで行われる『ストリート』に対し、お椀をいくつも組み合わせたような曲線的なコースで行われるのが『パーク』種目です。
1本につき45秒という短い時間で何度も技を繰り出し、その難易度と独創性を競います。
そんなパーク種目の日本代表候補が、岐阜市出身・笹岡建介選手(22)と愛知県高浜市出身・岡本碧優選手(14)。
3人兄弟の末っ子として生まれた笹岡選手。
5歳からスケートボードを始め、兄弟で競い合いメキメキと上達。
身長152cmと小柄ながらスピードを活かした高いエアーを武器に、2018年のアジア大会では金メダルを獲得しました。
輝かしい成績を残す笹岡選手ですが、意外な言葉が。
『スケートボードはスポーツ寄りの遊び』と捉えてるといいます。
「スケートボードは楽しんでやらないと技も増えない。友達と滑る機会もあるので、その空間は遊びという感じでやって、練習では1人でガチっとやる」
またスケートボードが五輪新種目になったことを、競技のイメージを変えるいいチャンスだと考えていました。
「一般の人から見たらスケートボードはまだ『うるさい』というイメージがあると思う。会場に来てくれた人たちに『スケートボードって良いスポーツ・遊びなんだ』と思ってもらいたい」
そんな笹岡選手を『建介プロ』と慕うのが、岡本選手。
「小さい頃から空を飛びたくて、スケートボードで飛んでるのを見て、私も飛びたい!ってなって…」
8歳でスケートボードを始めると、競技の魅力にのめり込み、国内トップ選手に成長。
『世界で活躍する』という目標を掲げ、ある一大決心をします。
「親も私もスケートボードのことは全く知らない。笹岡家に行けばいろいろなことを教えてもらって、世界で活躍できるかもしれないと思った」
なんと小学6年生で親元を離れ、岐阜市にある笹岡選手の実家で下宿を始めます。
転校してまで選んだ異例の道。厳しい練習の日々が実を結び、女子選手では誰も大会で成功していない大技・『バックサイド540』を習得します。
『バックサイド540』を手に入れた岡本選手は、2019年国際大会6戦全勝を果たし、中学生にして世界ランク1位にまで上り詰めました。
2人の今後の目標は…
「世界で活躍できる選手にこれからもなっていきたいので、技を一つずつ習得できるように頑張りたい」(岡本選手)
「自分の体がもつ限りはスケートボードをやりたい。生きている間はスケートボードに関わっていきたい」(笹岡選手)
世界が注目する二人から今後も目が離せません。