闘将・星野が神宮の夜空に舞った1999年
ドラゴンズ11年ぶりのリーグ制覇に、選手たちは酔いしれた
指揮官の熱き魂を受け継いだ竜戦士
幾多の死闘を乗り越えつかんだ栄冠
順風満帆に見えたドラゴンズのヴィクトリーロード
しかし、その裏側には、今だから明かされる真実があった
前年2位に終わったドラゴンズは、そのオフ、
即戦力として福留孝介と後にドラゴンズ不動の守護神となる岩瀬仁紀をドラフトで獲得
さらに当時ダイエーのエース武田一浩がフリーエージェントでチームに加わった
外国人選手は韓国三銃士、風の子リー・ジョンボムとサムソンが2年目のシーズンを迎え、守護神にソン・ドンヨルが控える
そして打線の中軸となる4番にはレオ・ゴメス
開幕カードを3連勝で終えたドラゴンズは勢いそのままに連勝街道を突っ走る
45年ぶり日本記録にならぶ開幕11連勝を達成、見事スタートダッシュに成功した
その快進撃を支えた一人が井上一樹
史上2位となる開幕21試合連続ヒットを記録するなど、恐怖の7番バッターとしてドラゴンズのVロードを切り開いた
全力プレーでチームに力を与えたのが関川浩一
ガッツ溢れるプレーで攻守に活躍、優勝の原動力となった
先発投手陣は4月の月間MVPを獲得した山本昌ほか野口、川上、武田らが、安定した内容でチームを支える
中でも野口は、先発ローテの中心としてシーズン中盤に9連勝を飾るなど、この年19勝7敗、セリーグの最優秀選手に輝いた
12球団最強を誇る投手陣の象徴だったのが中継ぎと抑え
岩瀬、落合、サムソンから守護神ソンへの必勝パターンでチームの危機を何度も救った
チームは6月に、1日だけ首位を明け渡すも7月には8連勝をマーク、8月に入ると勢いはさらに加速
2位巨人と最大の7、5ゲーム差をつけたドラゴンズは8月にして優勝マジックを点灯させた
しかし9月、足踏みするドラゴンズに対して、ジャイアンツが怒涛の追い上げをはかる
首位攻防3連戦の第1戦、ドラゴンズはジャイアンツのエース上原の前に完敗
エース野口で望んだ第2戦もジャイアンツの重量打線に飲み込まれこの時点でゲーム差わずか1、5
優勝マジックが消滅してしまった
迎えた天王山3戦目、負ければその差は0、5ゲーム、ペナントレースの大きな山場
ドラゴンズはチーム一丸となって勝利を掴み取った勝利
ゲーム差1、5に迫ったジャイアンツを再び2、5ゲームに突き放した
そしてここから優勝へのカウントダウンは始まった
苦闘の末に掴んだ栄冠、だからこそ我々の記憶に残り、今なお語り継がれるのだ