W杯開幕まであと1ヶ月。
4大会連続出場の日本はベスト4を目標に掲げ、大会に挑む。
日本代表枠は23人。中でも本命不在といわれるFW。予想される枠は4つ。その4つの枠をかけて、これまで熾烈な戦いが繰り広げられてきた。
その戦いに名を連ねるのが、2大会連続出場を目指す、グランパス・玉田圭司。
ワールドカップ・アジア最終予選では、8試合中7試合にスタメン出場し2得点。本大会出場に大きく貢献した。玉田の目は、2度目のW杯出場を捉えている。
「世界で見てもらうっていうのは、ワールドカップしかないんでね、そういう機会を逃したくない」「もう目の前にあるものなんで、出たいです」
前回の2006年W杯ドイツ大会。玉田は、ブラジルからの先制ゴールで脚光を浴びた。しかし、試合自体は、日本1―4ブラジル。
「完敗ですね。だからこそ次のワールドカップにもう1回出たいって気持ちが強くなったし」「自分としては(ブラジル戦)が始まりでいたい。そこから自分が始まるって.まあ、あそこで終わりたくないって気持ちが一番強いですね」
夢の舞台に再び立つことを誓った玉田だったが、戻ったクラブでは、2006年、2007年と試練が続いていた。度重なるケガに、限られた出場機会。代表にも召集されなくなり、世界の舞台も遠のいていった。
転機が訪れたのは、2008年。ストイコビッチ監督の就任。玉田の才能を高く評価し、全幅の信頼のもとで、玉田に出場機会が与えられた。常に上を目指す玉 田は、試合でも常にチャレンジ精神を忘れない。自分を磨くために、常にアグレッシブな姿勢で、自らのプレーに磨きをかける。そして、玉田のテクニックは、 今国内随一と評される。玉田は、そんな自らのプレーの中で、自分らしいと感じるのはどんなプレーなのか?
「ドリブル」 「色んなドリブラーっていると思うんですけど、自分としてはスピードのあるドリブラーだと思う」「意味のあるドリブル」
「1人2人かわせるようなドリブルが出来ればいいと思います」「交わすことで状況が打開できると思うんで」
状況を打開するのが、玉田のドリブル。そのドリブルが、ゲームを動かす。
今シーズンのリーグ開幕戦。2009.3.6 G大阪戦。リーグ開幕先制ゴールは、玉田がドリブルで中へ切れ込んだことから始まった。最後は、玉田が自らゴール前に飛び込んで決めた。
そして、日本代表でも去年9月のオランダとの親善試合、シュートまで結びついた日本の攻撃の起点は玉田だった。
2010年ワールドカップイヤー。玉田は30歳を迎えた。
今が、プレイヤーとしての円熟期。
再び、あの夢の舞台へ――。