今シーズン大きく飛躍を遂げた男がいる、プロ7年目・堂上剛裕。
今シーズン途中から1軍登録されると、主に代打として活躍、
ここぞという時の勝負強さ、今やチームに欠かせぬ存在となっている。
堂上剛裕、今シーズンの飛躍に隠された真実とは・・・
高校卒業後、ドラフト6位でドラゴンズに指名された堂上は、地元・愛知出身の大型スラッガーとして将来を期待され入団。そして、プロ入り4年目となる2007年、その片鱗をみせる。首位争いを繰り広げる巨人との一戦で代打・サヨナラホームラン
この年、37試合に出場した堂上は、将来のレギュラー候補として存在感を示した。
ところが、翌年、レギュラーポジションを取れず、出場機会は激減、2年間で出場わずか10試合にとどまった。そんな苦しい日々を乗り越え、迎えた今シーズン、堂上はここまで45試合に出場、チームの躍進に貢献している。
「4年前くらいから、インコース厳しい所を攻められて、それがさばけないで、自分が迷ってやっていたので、その分やってきたことがちょっとでてきたなと思います」
堂上の飛躍を紐解くキーワード、それは、インコース。
実は堂上の弱点はインコースにあった。去年までは厳しくインコースを攻められると反応できず、上手くさばくことができなかった。そして、インコース対策として堂上が取り組んだのが、すばやく反応できるバットスピードを身につけること。今シーズン、堂上は厳しいインコース攻めにも対応でき、それが結果に繋がっている。
7月19日の横浜戦
6回、1アウト3塁2塁のチャンスに代打で打席に立った堂上。
厳しいインコース攻めにあう堂上だが、すばやい反応でかわしていく。際どいコースも粘りを見せる。そして、10球目、粘ってフォアボール。今年の堂上が成長した証だった。
7月21日の横浜戦
4対3と1点ビハインドで迎えた7回、3塁1塁、一打同点の場面で、タイムリーヒット。
ピッチャー真田の143キロのストレート、厳しいコースのボールをうまく弾き返した。
インコースへの課題に取り組んでいた堂上にとって、この一打は、大きな手ごたえをつかんだ瞬間だった。
そしてもう一つ、今シーズンの好調の裏に、こんなデータがある。それは初球打ち
今年の堂上が初球を打ったときの打率は、なんと4割を超えている。
ここまで17打点をあげているが、その内の7打点が初球打ちなのだ。
「強気に攻めていかないと自分の技術だったらやられるので、先に先に攻めていくっていう感じです。ピッチャーも早くカウントを整えたいというのがあるし、ある程度、場面とピッチャーの配球とクセを考えて、切り捨てる所は捨てて、その中で絞った球種がコースに来たらいくっていう形で、うまく当たっている感じです。」
7月31日の阪神戦
3回、2対2の同点。ランナー1塁、その初球、
高めのスライダーを振りぬき、今シーズン第1号2ランホームラン。
初球からいく積極的なバッティングが結果をもたらした瞬間だった。
「毎日が勝負なので、今日一日のことしか考えてないですけど、反省を活かして今日はやるっていう気持ちでそれを繰り返していこうかと思っています。」
プロ7年目にして大きな成長を遂げた堂上剛裕、レギュラー獲得へ突き進む。