第22節を終えて、グランパスは15勝2分5敗で勝ち点47。2位セレッソとの勝ち点差は実に7点。
今、どのチームよりもリーグ王者に近い場所にいる。
ピクシー体制3年目。攻撃サッカーは確かな浸透を見せていた。
22節終了時点で、グランパスのスコアレスゲームは、わずか2試合。去年は、同じ時期で7試合。タイトル争いをしていた一昨年でも、4試合。確かにグランパスの得点力は上がっていた。
グランパスの攻撃力はいかに覚醒したのか。今シーズン、グランパスは、ケネディをトップに置きサイドに玉田、金崎を配するスタイルで戦いに臨んできた。
その布陣で重要なのは?
ストイコビッチ監督:
「私は常にqualityを求めてきた。布陣として、確かにケネディの1トップ。常に彼には金崎や玉田サイドのサポートが入る。3人の距離が近く、互いの動きを感じ、互いの動きを理解する、それが重要なんだ」
シーズン前半こそ連携に苦しんだが、W杯中断期間にこれを修正し。7月のリーグ再開後から、波に乗る。8月14日にホームで浦和を撃破し、引き分けを挟んで5連勝。683日ぶりに首位を奪還した。
そして、もう一つのグランパスの成長の証。それは、第21節 京都戦。
「あの勝利は心理面で、とても大きな意味があった」(ストイコビッチ監督)
指揮官が語るのは、第21節、京都戦。その時点でリーグ最下位の京都は、新監督を迎えて未だ勝利がなかった。
「人々は、下位チームとの戦い。簡単なゲームじゃないかと言っていた。けれども、私にはこの試合がとても厳しいゲームになるとわかっていた」
優勝を逃した2年前。グランパスは、下位チームを相手に勝ち点を取りこぼし、それが最後まで響いた。下位チームとの戦いの難しさを誰よりもよく知っていた。
「インテリジェントな人間は、過ちから学ぶ」「今年こそ、今こそ、我々は同じ轍を踏んではいけないと、同じ過ちを繰り返してはいけないのだと、そう、だからこの前の京都戦というのは、とてもいい例だったんだ」
グランパスは、この試合、1対0で勝ちきる。
「試合に勝ったのは大きかった。首位も維持できたし、なによりメンタルにね」
続くアウエイ山形戦でも、悪コンディションの中、1対0と勝利。2位との勝ち点差を7点にまで広げたグランパス。優勝争いの本命に躍り出た。
――優勝と2位以下のチームを分けるのは何か?
「精神力」
「他のチームに、人々に我々は王者になる覚悟が出来ていると示すことが重要なのだ」「我々こそが、№1、№1だと」
王者になる覚悟は出来ている。
後はただ、
恐れることなく、
前を向き、
一歩ずつその歩を進めるだけ。