6月15日の新潟戦で、今シーズン初の3連勝を飾ったグランパス。
この勝利で、チームは節目となるリーグ通算300勝を達成した。
過去天皇杯は2度制覇するも、リーグ戦に関しては毎年優勝候補には挙げられながら優勝できず。
2005年にはJ2降格の危機を味わった。
そして、去年待ち望んだ悲願のリーグ初制覇。
グランパスが歩んできた栄光と挫折。
その歴史を見てきたのが、グランパス一筋11年・中村直志。
これまで監督交代、メンバーの入れ替わりがあっても、常に必要とされ続けてきた。
現役のグランパス選手では、3番目に多い281試合に出場している。(6月17日現在)
なかでも現在監督を務めるストイコビッチは中村を高く評価する。
「彼こそリアルファイター。
最後まで諦めないという強い気持ちでプレーが出来る選手で、守備における貢献はあまりに高い」
恐れることなく体を張り、攻撃の芽を摘み取る中村。
闘争心溢れるプレー、それは11年間変わらない彼のスタイル。
中村が今シーズンのベストゲームに挙げたのが、前節惨敗を喫した後の川崎戦。
連覇を掲げ挑んだ今シーズンも、いまだ勝ち星なし。
中村、そしてチームが勝利へ強い気持ちを抱いていた。
「みんな動いていたし、球際も激しく行っていたし。誰かがミスしたら、それをカバーしようという気持ちを持ってやっていたし。それがより前面に出た試合だったと思いますけども」
チーム全員で掴み取った今シーズン初勝利。
「昔はやっぱり、自分が結果を残すということにしか集中していなかったですかね。
今はチームがどういう風にすれば勝てるかというプレーの変化になって。
その方が自分としても充実感はあるし」
勝つことが最大の喜びとなった今。
さらに経験が中村を成長させている。
「積極的にいける場面でも、ボランチの時、カウンターが次来る雰囲気だったら我慢するという。
我慢することによって、周りから積極的に行っていないんじゃないかという風に言われる事も多いんですけども。自分はその中でそう言われても、自分の中での考えがあるので、そこはブレないように。
それがやっぱり経験なんじゃないかと思いますけどね」
リーグ通算300勝まであと1つと迫った新潟戦。
長年、チームを支えてきた男はいつも通りスタメンに名を連ねる。
11年間変わらない闘争心。
決して目立ちはしないが、相手の攻撃の芽を摘み取る堅実な働きをみせた。
実はこの試合、足を痛めながらプレーしていた中村。
3週間、戦列を離れることとなった。
「ケガしてしまいましたけども、それまで自分なりに充実してやれていたし。
できるだけ早く治して次も良いプレーができるようにしたい」
リーグ連覇へ向けて、闘争心そして培った経験が再び必要となる。
中村の存在はチームに欠かすことは出来ない。