放送内容

2011年08月27日(土)放送

中日ドラゴンズ 山内壮馬 「分岐点」

カテゴリー:野球

勝負の後半戦、打線が低迷を続ける中で奮闘しているのが
現在リーグトップの防御率を誇る投手陣。
ネルソン、チェン、吉見の不動の先発3本柱に加え
7月から先発に転向し5勝負けなしのエンジェルベルト・ソト、
20歳の若きエース候補・伊藤準規も奮闘を続けている。
そして先発ローテーションの6人目がプロ4年目・山内壮馬。
7月下旬に今シーズン2度目の一軍登録をされると、
勝ち星こそ1勝に留まっているが、安定したピッチングを見せている。

そんな男に隠された苦悩。
5月5日に一軍登録を抹消された時、山内はこんな事を話していた。
「何かが足りない」
そして山内の胸のうちにあったジレンマ。
「ストレートが1年目に比べて10キロ近く落ちている。
だけど今のほうがその頃より明らかに抑えられているので
そこを追求していいかが分からない」
入団時にMAX148キロを誇った自慢のストレート。
山内はもともと制球にムラがあるピッチャーだったが、
2年目、3年目とコントロール重視のピッチングスタイルへと
変貌を遂げていた。そして去年、プロ初勝利を掴んだ。

投球動作のムダを省き、コントロール重視する・・・
かつてのようなフォームに勢いが無くなり、
去年球速は130キロ台後半にまで落ちた。
さらにもう一つの大きな原因。それは去年習得したシュートボールにあった。
「シュートを投げすぎたせいで、身体は早く開いてしまったり、
溜めがなくなってしまった。このままではいけない」

ファームで結果は残していた。
すでに1軍復帰への臨戦態勢は整っていたが
山内はあえて自分自身と向き合う覚悟を決め、フォームの微調整に着手。
下した答えはコントロールとスピードの両方を追い求める事だった。
そして7月、山内は一軍に戻ってきた・・・

130キロ台にまで落ちていたストレート。
8月14日の横浜戦では最速142キロ、球速は戻ってきた。
山内は言う。
「目先の1試合を大切に全力でいけば、今まで以上に一軍で先発できる」
「腕も振れてきたので、まだまだここからですよ」
4年目で迎えた大きな分岐点。
コントロールとスピードの両方を追い求めた彼の決断は、
勝負の9月に必ずや実を結ぶ。