愛知県・刈谷市に拠点を置く、バスケットボールチームの名門・アイシンシーホース。
3シーズン前にリーグ連覇を飾るなど、過去10年間で4度の優勝。
近年の日本バスケットボール界を牽引している。
そして今シーズン、この常勝軍団アイシンをまとめるのがキャプテンの柏木真介。
リーグ屈指の強靭なフィジカル。
抜群の身体能力と、広い視野でゲームをコントロールするポイントガード。
これまでにシーズンMVPを受賞するなど、日本を代表する司令塔だ。
アイシンに来て6年目、今年からキャプテンを任されることになった柏木。
大きな役割が求められている。
「佐古さんが抜けて、網野さんが抜けて、本当の意味で自分が引っ張っていかなきゃいけないんだという気持ちが今年はすごく強くなりました」
今年のアイシンは大幅な戦力ダウンを余儀なくされている。
去年、チーム最多得点を挙げた竹内公輔とキャプテンを務めていた日本代表フォワード網野が移籍。
さらに、ミスターバスケットボール佐古賢一が引退。
アイシンで一時代を築きあげた男がユニフォームを脱いだ。
主力が抜け、新たなチームとして挑む今シーズン。
アイシンの命運は、柏木にかかっていると言っても過言ではない。
日本代表フォワード2人が抜けた今シーズン、チームに求められるのが得点力のアップ。
ポイントガードの柏木はこれまで司令塔としてゲームを組み立てる事に集中してきたが、
今年はさらに得点を奪うプレーが求められている。
「得点に絡む機会が増えるんじゃないかなとは思っているし、逆に絡んでいかないといけないなとは思っています」
新生アイシンを託された柏木、自らも試される今シーズン。
司令塔として、そしてキャプテンとして。
チームをまとめ上げ、3年ぶりの頂点を目指す。
10月7日、JBL2011-2012が開幕。
アイシンは立ち上がり、東芝に立て続けに得点を許し試合の主導権を握られる。
反撃を試みるが、固さが目立ち本来のパフォーマンスを披露できない。
第1ピリオドを10点ビハインドで終える。
続く第2ピリオド、ディフェンスから徐々にリズムを掴んでいくアイシン。
徐々に点差を詰めると、第2ピリオド終盤に桜木ジェイアールのスリーポイントで25対24と逆転。
第4ピリオド終盤、柏木が決定的なスリーポイントを沈め東芝を突き放す。
鮮やかな逆転勝ちで、開幕戦勝利を飾った。
去年まで在籍していた佐古は、柏木に大きな期待を寄せる。
「メンバーの入れ替わりで1番得られるのは刺激だと思うんですけど。
その刺激というものをカタチにしていくのに、経験をかなり積んできた柏木とかにフレッシュさをまとめて束ねてもらってですね。良いバスケットを披露してもらいたい」
第2戦も勝利を収め、好スタートを切った新生アイシンシーホース。
チームを3年ぶりの王座へと導くべく、柏木の戦いは続く。