リーグ残り3試合。3位につけるグランパスは、逆転優勝へ3連勝が絶対条件。その逼迫する戦いが、小川佳純には楽しい。
「こうやって最終節までもつれ込むような戦いっていうのが、本当の優勝争いだと思う」

圧倒的な強さでリーグ初制覇を果たした去年。しかし、小川はそれを手放しでは喜べなかった。
「去年は本当に自分のパフォーマンスが良くなくて、出場機会が減っていたんで」。ゲーム途中での投入が常態化していた去年。しかし、今年は違う。ここまでの31試合全てをスタメン出場している。
シーズン開幕前の1月、小川に今年の目標を聞くと、悩んだ後でこう答えた。
「再起」「一番いいときの状態に戻りたい」。

その目標はどれくらい達成されているのか?
「60%くらい」。そう答えた小川。理由を聞くと、「結果がついてきていない」。
確かに、31試合スタメン出場し、2得点5アシストは、前線の選手としていささか寂しいものがある。この成績、チームメイトが小川をいじるときの格好のネタにもなっている。
本当の意味での「再起」とチームの連覇へ。残り3試合に挑む。
「最終節とホーム最終節は、誰が何を言わなくてもモチベーションがあがってくるし、油断もない」「3試合のうち一番大事なのは次のマリノス戦」

そして、迎えたマリノス戦。

先制点、そして決勝弾に絡む小川の活躍。
逆転優勝へ、残り2試合。


「あと2つ勝つしか優勝への道はない。自分たちの戦いに集中していきたい」