世界のトップ6で争うGPファイナルで、自己最高の銀メダル。
全日本選手権でも表彰台に登り、2年ぶりとなる世界選手権への切符を獲得した、フィギュアスケーター鈴木明子。
今シーズンの鈴木を語る上で欠かすことができないのが、
大技「3回転3回転ジャンプ」への挑戦。
26歳からの新たな挑戦。ひたすらジャンプを繰り返す日々が続いた。
足へかかる負担も大きかった。
そんな鈴木の努力が実を結ぶ。去年のNHK杯。
試合で初めて3回転3回転を成功。新たな武器に手応えを感じていた。
しかし、その後のGPファイナル、さらに、全日本選手権。
3回転3回転ジャンプを決められない。
「技術的な面は直すところはたくさんあると思うんですけど、試合に入れるとなると、やはり気持ちというところが大きく作用するので。自信をつけるには練習しかない」
事実、鈴木はGPファイナルの公式練習で、何度も3回転3回転を成功させていた。
それが、試合本番で跳べない。技術面、そして、何より、精神面の重要さを痛感した。
鈴木が目指す理想の3回転3回転は、
1つ目は、スピードをつけて、より遠くへ跳ぶ「幅」のあるジャンプ。
そして、2つ目は、より上へ「高く」跳ぶジャンプ。
「幅」と「高さ」、この2つのジャンプを組合せたものこそ、鈴木が追い求めるフォーム。
そんな鈴木の理想のジャンプを跳ぶ選手こそ、オリンピック金メダリストの「キム・ヨナ」。
「キム・ヨナさんの3回転3回転って、ものすごいスピードで走ってきて、2つ目を上にポンって跳ねるんですよ。あっ、こうやって跳びたいなって思っていました」
3回転3回転の成功には、1つ目のジャンプ、中でもその踏み切りの正確さが重要となってくる。
「1つ目のジャンプの踏み切りがブレると、どうしても1つ目で流れが止まってしまうので、その踏み切りを安定させるっていうことが、次のジャンプへのつながりにも安定を生む。
1つ目をきちんと流れのあるジャンプを跳ぶってことが大事になってくる」
理想ジャンプを跳ぶために、日々の練習の中で取り入れているのが、映像でのチェック。
その場ですぐにフォームを確認し、問題を解決することで、効率的に理想のジャンプへと近づけている。
常に新たなことに挑戦を続ける鈴木明子。
「一番完成度が高いものが世界選手権でできれば、きちんと結果もついてきてくれると思います」
3月の世界選手権、彼女が最高の演技を見せてくれた時、一番輝く場所で最高の笑顔を見せてくれるだろう。