現在、男子フィギュア界は、4回転時代に突入。
もはや、4回転なくしては世界のトップと戦えない。
その熾烈な上位争いに名乗りを上げるのが、小塚崇彦。
昨シーズンの世界選手権で4回転を成功し、銀メダルを獲得。世界のトップと肩を並べた。
「世界選手権のときの4回転はたまたま跳べた。でも、‘あの時’の4回転はなるべくしてなった。」
‘あの時’の4回転とは、去年の全日本選手権。今シーズン初めて成功させた4回転だった。
世界選手権の時とは違い『必然的』に跳ぶべくして跳んだ4回転。
その成功の裏側には、踏み切る時のタイミングにあった。
シーズン当初は、ターンをして1・2・3・4のタイミングで踏み切りをしていたが、
現在は、1・2・3のタイミングで跳んでいる。
ターンをしてすぐにジャンプに入る最大のメリット。
それは、ターンをして、右足にしっかり重心が乗っていること。
さらに、状態にひねりが加わり力が溜まる。
そこで踏み切ると一気に力が伝わり、回転速度も増す。
より良い状態でジャンプを跳ぶ体勢を作る事こそ4回転攻略の秘訣なのだ。
実は、世界のトップ選手の4回転を見てみても、
ほとんどがターンをしてすぐにジャンプを跳んでいる。
「タイミングさえ自分の中にあれば、失敗することはない」
そう強く語る小塚が、その4回転を試すときがきた。
全日本選手権以来、久々となる大会。自身初めて2度の4回転に挑む
初めて2度の4回転を着氷。
わずかに回転不足と判定されたが、体は回りきっていたと、
本人も納得のジャンプ。
この挑戦は、小塚にとって大きな自信となった。