真の大学日本一を決める壮絶な戦い。
箱根・出雲と並ぶ学生3大駅伝のひとつ、全日本大学駅伝。
そんな全日本に、ひときわ情熱を傾けるランナーがいる。
「陸上人生の集大成。自分が陸上をやってきた中で最後に全日本に出たいという気持ちは強いです」
過去14回の出場を誇る国立の雄・名古屋大学。チームを牽引するのがエース・山本崇博。
大学に入り、走ることに全てを捧げてきた。
大学院2年の山本にとって、今年が全日本出場へのラストチャンスとなる。
これほどまでに熱い想いを抱く理由は、過去の苦い経験にあった。
2年前の全日本大学駅伝、当時4年生の山本は1区を任された。
しかし途中で失速してしまい、チームは最後までタスキを繋ぐことが出来なかった。
「4区でタスキが途切れてしまったんですけど、その原因になってしまったので本当に悔しかったです。今でも悔しいですし、もう1回走って今度はちゃんと繋ぎたいなという気持ちが強いです」
そして迎えた予選会。
名古屋大学は2組目を終えて3位。2位の三重・皇學館に43秒の差をつけられてしまう。
続く3組目、名古屋大学の2人が積極的な走りでレースを引っ張る。
共に1位と3位に入る快走を見せ、名古屋大学は3組目を終えて2位に浮上。
最終組を残し、全日本出場圏内につけた。
8人の合計タイムで決まる全日本の出場権、エース山本に全てが懸かる。
名大・山本は2位でフィニッシュ。エースの責任を果たした。
その結果、合計タイムで2位に入った名古屋大学が、
2年ぶりに全日本大学駅伝への出場権を獲得した。
次なる舞台は全日本。
山本が陸上人生の集大成を飾る。