日本列島がワールドカップ最終予選で盛り上がりをみせるなか、遠く離れた中東の地でもワールドカップの切符を賭けた熱い戦いが繰り広げられていた。
それは、「フットサルワールドカップ」日本代表は4大会ぶり2度目のアジア王者に輝き、3大会連続4度目のワールドカップ出場を決めた。
そんな日本代表の快進撃を、複雑な思いで見守ることとなった一人の男、森岡薫。
ペルー生まれの日系3世。日本代表を目指し帰化申請を行っているが、今はまだペルー国籍。
森岡は昨シーズン、10試合連続得点、3度のハットトリックを達成するなどFリーグ史上最多の34得点を記録。見事、得点王に輝いた。さらにMVP、ベスト5を受賞し、Fリーグ史上初となる個人タイトル3冠。オーシャンズのリーグ5連覇に大きく貢献した。しかし、森岡は、今シーズンの開幕を目前に控え、プレッシャーを感じていた。
リーグ史上初の個人タイトル3冠。当然、周りからの期待、注目度も高くなる。そこからくる漠然とした不安。
そんな森岡は試合前に必ず行うことがあるという。それは、トイレ掃除。妻・寛美さんの助言を元に、試合前日に素手でトイレを掃除する。そして試合のコートに入るときは必ず右足から入るのだという。試合前に必ず行う、彼のルーティン。全ての準備を整え新たなシーズンへ挑む。
開幕戦、今シーズンからFリーグに参戦した、アグレミーナ浜松を相手にオーシャンズは王者の貫禄を見せつける。すると後半7分。森岡が待望の今シーズン初ゴールを挙げる。さらに、絶妙なパスで得点をアシスト。
開幕戦、森岡は2ゴール1アシスト、開幕戦を白星で飾った。
続く第2節には父・ジョージさんも駆けつける中、試合開始直後に先制点を挙げる。
湘南の反撃に苦しみながらも、4-2で勝利し、2連勝でリーグ6連覇へ好スタートを切った。
今シーズンも森岡の活躍から目が離せない。