サッカー界のキング・三浦知良選手の代表候補入りで注目を集める、日本フットサル界。そんな中にもう一人、初の代表候補入りを果たした男がいる。名古屋オーシャンズ、森岡薫、33歳。

昨シーズンはFリーグ史上最多記録となる34得点(タイ記録)で見事得点王を獲得。さらにMVP、ベスト5を受賞し、リーグ史上初となる個人タイトル3冠。名実共に、日本フットサル界を代表するストライカーとなった。

そんな森岡はペルー生まれの日系3世。国籍はペルー。12歳の時に来日し、以後は21年に渡り日本で生活を続けている。結婚、そして2人の子供にも恵まれ順風満帆な生活を送っていた。しかし、彼にはある大きな夢があった。
―フットサル日本代表になって、ワールドカップの舞台に立ちたいー

そのためには日本国籍を取得する必要がある。森岡は日本代表への夢、そして家族のために、日本への帰化申請を行った。

しかし、その夢の前に大きな壁が立ちはだかる。
森岡は少年時代、学校に馴染めず高校を中退。それ以降、彼は非行に走っていく。警察の世話になることもあった。そんな彼の過去が原因となり、2度の帰化失敗。一度は帰化を諦めたときもあった。
それでも森岡はひたすらプレーで結果を残すことで、アピールを続けた。そして…

2012年8月。ついに日本への帰化が認められ、晴れて日本国籍を取得。日本人となった。
そして9月。念願だった日本代表候補入りを果たした。
夢への第一歩を踏み出した彼が目指すのは、11月から始まるワールドカップの舞台に立つこと。

名古屋オーシャンズ、森岡薫。日本人となり新たなスタートを切ったストライカーが、ワールドカップの舞台で、日本代表を高みへと導くだろう。