放送内容

2012年10月28日(日)放送

中日ドラゴンズ前ヘッドコーチ 森繁和「投手王国誕生の裏側」

カテゴリー:野球

今シーズンは残念ながら2位に終わったドラゴンズ。
それでも去年と同じ75勝を挙げた。
その戦いの中心となったのが強力な投手陣。
そこで去年まで落合監督の下、この強力投手陣の基礎を築き上げた
森繁和前ヘッドコーチに迫った。

・見ることの意味
森さんが西武ライオンズでコーチを始めたとき、
「選手を見ているだけでいい」と言われたという。
そこで1年間直接的な指導をせずただ見ていたところ、
シーズン終了後「じゃあ、始めてくれ」と。
つまり1年間選手を見ることで、理解し指導法を考えろということ。
言われて初めて、ただ見ているだけでは意味がないということに気付いたそうだ。
選手を成長させるには何をアドバイスすればいいのか。
以来、選手をまずは見る。とはいえただ見るのでなく指導法を考えながら見る。
この考えがコーチ森繁和の原点となっている。

・負けない投手をつくる
長いシーズンを戦う上で大事なのが勝てる投手というよりも
負けない投手をつくること。
もちろん先発投手に勝ちがつけばベストだが
先発投手に負けがつかないということは試合が壊れていない可能性が高い。
つまりチームとして勝ちに近づくことにもなる。

・長所を伸ばす
基本的に短所を直すのではなく、長所を伸ばして短所をカバーする。
コントロールが悪くてもスピードボールが投げられるのなら
まずその長所を伸ばす。そうすることで意外と短所も補えることがある。

・投手の起用法
今年で入団10年目を迎える小林正人投手。
しかし入団当初は普通のオーバースローで投げる左ピッチャーだった。
そこで森さんはサイドスローになることを勧めた。
小林投手の投げ方などを見て適正を感じたから。
いまや左キラーとしてチームになくてはならない存在となっている。
また考えすぎてしまうことが多い山井投手には
事前に登板させることを伝えず、試合当日にジャンケンで勝ったというのを
理由にして先発に起用。結果的にプロ初完封勝利を挙げた。
このように選手を起用する際には、適正・性格まで見極め考えていた。

ドラゴンズが常勝軍団になった原動力のひとつ投手王国誕生の秘密。
そこにはモリシゲ流の哲学が流れていた。