熱戦が続くプロ野球。
交流戦を終え、ペナントレースは熱を増すばかり。
そんな中ドラゴンズは首位巨人から10ゲーム以上離され、4位(6月22日時点)
リーグ連覇から2年…常勝軍団がまさかの低迷を続け、もがき苦しんでいる。
浮上へのキッカケは、やはり経験豊富なベテランたちの力が必要不可欠。
そこで後半戦のカギを握るキーマンを伊集院所長が直撃。
その男とは…球界を代表する名手、井端弘和選手38歳。
プロ16年目を迎えたチームリーダーは今、何を思うのか?
逆襲に向け、胸のうちを語った。
<全ては交流戦最後のロッテ戦で始まった>
今シーズン、開幕から調子の上がらない井端は一言、
「チームに迷惑をかけっぱなしなので。でもこのままで終わるつもりはない」とキッパリ。
復調への兆しが見えたのは6月15日、16日のロッテ戦だった。
井端は4年ぶりとなる、一試合4安打をマークすると翌日も2安打を放ち
2試合で10打数6安打と暴れまくった。
実はこの日の朝、「今までは目覚まし時計で起きるって感じだったけど
この日はスパっと目覚めて、何か頭も身体もクリーンになった」という実感があったとか。
プロ野球選手はこういうちょっとした変化を逃さず、好調へと繋げたのであった。
<WBCでの覚醒は当然>
3月に行われたワールドベースボールクラシックで日本代表として大活躍した井端。
何度となく日本の窮地を救い、一躍ヒーローの座に登り詰めた男はあの時の事を振り返ると
「打って当たり前の状態だった。むしろ打ち損じた球の方が何で打った球より簡単なのに
何で打てないんだ?とそんな感じだった」と衝撃の事実を語ってくれた。
しかし国を背負って戦った男への代償はあまりに大きく、チームへ合流したのは開幕のわずか1週間前。
「心技体なんですけど、心と体がなかった。特に(開幕から2カード目の阪神戦)大阪で試合があった時は
3日間ほとんど食べられなくて、ちょっと食べただけでお腹いっぱいになっていた」と
疲れを残したままのシーズン突入となり、井端は苦しんだ。
<飛ぶボールとは感じなかった>
今月上旬、球界を震撼させた、いわゆる統一球問題。
飛ばないボールから飛ぶボールへと選手たちに知らされぬまま、
変更が行われていたのだが井端自身はどう感じていたのかというと…
「正直感じなかったです。むしろ僕だけ飛ばないボールなんじゃないかと(笑)」
それくらいバットの芯にボールが当たらず、悔しい思いをしていたのだが
交流戦最後のロッテ戦で復調の兆しを見せ、心に余裕が生まれてきて初めて
「言われてみれば…打感が違うな」と思えるようになった模様。
まだまだペナントの灯火は消えていない。
リーグが再開し、プロ16年目の男は一歩ずつだが着実に状態を上げてきている。
手ごたえを掴みつつある井端弘和。後半戦に向け、巻き返しはこの男の力が必要不可欠だ。