守り続けてきた11年連続Aクラスの座。
クライマックスシリーズ進出へ、正念場を迎えたドラゴンズ。
そんな苦しむチームの中で、男のバットだけはとどまることを知らない。
プロ8年目・平田良介、25歳。
スタメンに定着した6月後半からホームランを量産。
わずか2ヶ月の間にここまで12本を放つ。(8月24日時点)
特に今月、宿敵巨人との3連戦ではホールトンを打ち砕き、
杉内のストレートにも振り負けず、
首位独走の巨人相手に3試合連続となるホームランを叩き込んだ。
だが、そんな男はどこまでも冷静に自分を分析する。
「今調子が絶頂ではないと思うんですよね、ちょっと落ちてきている所だと思うんですけど
その時に何が悪いかっていうのを調整、今の形をベースに調整できるようにとは思っています」
開幕直後、快音を響かせることができず34打席ノーヒットの屈辱を味わった平田。
そんな苦い経験こそが、自分のバッティングを一から見つめ直すキッカケに。
試行錯誤を繰り返し、ついに辿り着いた理想の打撃フォーム。
その秘密に迫ると、4つの大きな打撃改造ポイントがあった。
(1) 投手の投球動作に合わせて足を上げてタイミングをとる
(2) ヘッドを立てる
(3) ミートポイントをおよそボール一個分前へ
(4) トップの位置から振り出す時にバットを身体の内側に入れない
これらをシーズン途中で変更、これが見事にハマる。
「やっぱ今の打ち方をして良かったなって思うのは、
打ちにいく形の良い形を覚えたってことですかね。
今までってどの形がいいのかあんまりよく分かっていなかったんですけど、
今打ちにいく形がどの形が良いのかっていうのが分かっているので、
前置きの動きが変わっても「あ、今のはいい」とかちょっと分かるようになってきたので」
中日ドラゴンズ・平田良介、どん底を味わい目覚めたバッティング。
だからこそ、男には譲れないこだわりがある。
「僕は遠くに飛ばすっていうのは、一つの才能だと思うし、
それを活かしたいと思っているので、ホームランの数を増やしたいですね」
クライマックスシリーズ進出へいよいよラストスパート。
平田のバットから数多くのホームランが生まれた時、その可能性は限りなく近づくに違いない。