バレー界に新たな伝説を生んだ
愛知・星城高校。
全国3大タイトル(インターハイ・国体・選手権)を、
2年連続で総なめにする史上初の快挙!!
リベロ・川口)
「このメンバーの代に生まれて、奇跡っていうか」
エース・石川)
「こんなメンバーが揃うのは、奇跡って言ってもいいと思います」
高校ナンバーワンの高さ(平均身長186.5cm)
2年間、高校生に負けなしの公式戦99連勝
天皇杯では、大学や実業団をも破った超高校級軍団
まさに、バレー界の歴史に語り継がれる“キセキの世代”
これまで、全国制覇わずか2回だった愛知(国体1回、インターハイ1回)に
突如現れたスター軍団。
スタメンのほとんどが、
中学のとき、全国準優勝をした愛知選抜のレギュラー。
エース・石川祐希もその一人。
石川)
「愛知選抜の、今いるレギュラーメンバーと
一緒に行こうということで星城に入りました。
この仲間と一緒にバレーがしたいという思いが強かったです」
中学から10cm以上も伸びた身長は、現在191cm。
スパイクを打つ高さ(345cm)は、
なんと全日本の平均(342.6cm)をも上回る。
高さに加え、
コースを打ち分けるテクニックを併せ持つ石川。
アジアユース選手権で得点王に輝いた
世代・アジアNO.1アタッカー。
全日本(ぜんにっぽん)の代表監督も
高く評価する。
全日本男子 ゲーリー・サトウ監督)
「万能な選手ですごくいい。
彼は順調に成長し続けている。
想像よりも技術の高さを目の当たりにして
とても満足している」
ニッポン、次世代のエース候補に対し、
仲間からあるサプライズが・・・
♪Happy Birthday
12月の誕生日。
仲間から受けた、笑いの“おもてなし”。
石川)
「この時間を大切にしたいですね」
仲間と過ごす最後のときが、
刻一刻と近づいていた。
1月、集大成の戦い、高校選手権。
石川)
「優勝が一番の目標ではありますが、
楽しんで結果を求めていけたら」
史上初の快挙がかかる、
愛知・星城は、
絶対王者の貫禄を見せ付けていく。
石川を中心に得点を重ね
ベスト4へ!
準決勝。
相手は国体でフルセットに追い詰められた、東福岡。
優勝を占う大一番、
チームは、石川にボールを集めると、
その期待に、エースが応えていく。
2セットを連取し、決勝進出に王手をかける。
ところが、第3セット、
相手の粘りにリズムを崩されると
一時7点のリードを許す。
そんな時、
相手の強打を拾い、チームを鼓舞する選手がいた。
リベロの川口太一。
キセキの世代を星城に呼び寄せた守護神は、
特別な想いを抱いていた。
川口)
「2年連続の3冠という偉業を成し遂げて
自分がこんだけ成長したんだって天国の母親に見せてあげれたらいいなって」
岐阜県土岐市出身の川口は、
中学2年の時、親元を離れ名古屋市の学校に転校。
小学校から教わる恩師の下で、バレーに明け暮れた。
そんな情熱を
最も後押しをしていたのが母・優子さん。
川口)
「一番近くで応援してくれて、夜遅くまで送り迎えしてくれて」
しかし、高校1年の冬、最大の支援者を病で亡くした。
現在、寮で生活する川口。
部活で疲れた後でも、節約のため
毎日の自炊を欠かさない。
川口)
「こういうのをしていると
親のありがたみとかが実感できますね
お母さんがいなくなってから
そういうのを結構感じるようになりました」
恩に報いるため、ただひたすらバレーに打ち込んだ川口。
気づけば、高校ナンバーワンリベロへと成長!
その感謝を、
天国に届けたかった。
川口)
「一緒に居たときは照れもあって
全然感謝の気持ちとかを言えなかったので
バレーボールで自分が楽しんで活躍しているところを
(天国の母に)見せて喜ばせていけたらいいなって」
準決勝の第3セット。
川口の気持ちのこもったレシーブを、エース石川が決めていく。
7点差を追いつきデュース。
再三、ピンチを救っていく川口。
最後も、川口から石川。
史上初の偉業まで、あと1勝に迫った。
川口)
「ハラハラドキドキでした!
一本拾ってみんなを勢いづけしたかったので
ああいうプレーができて良かったです」
石川)
「ああいう(接戦の)状況を全力で楽しんでやるっていうことが
自分達のやることだったので
それができて良かったです」
そして迎えた、決勝戦。
石川)
「このメンバーでできる最後の試合なので全力で戦っていきたい」
序盤、
鹿児島商業にリードを許すも、
石川にボールを集め逆転に成功。
そのまま2セットを連取し、優勝に王手をかける。
第3セットも、終始試合の主導権を握る星城。
迎えた、マッチポイント。
最後は、エースに託されることが
決められていた。
石川)
「チームメートの思いも踏まえて準備していました」
(最後のポイントを石川のバックアタックで決める)
史上初の快挙を達成!
愛知・星城が2年連続の3冠を成し遂げた!!
石川)
「今までこのメンバーでやってこれてよかったなという思いですね」
川口)
「楽しくバレーしているところを
(天国の母親に)見せることができて良かったと思います
(天国のお母さんからはなんて言われると思う?)
よく頑張ったねって言ってくれると思うし、
いやまだまだだよってダメだしもしてくれると思うんで、
これからもっと頑張っていきたいです」
これからは別々の道を歩む彼ら。
再開を誓うのは、6年後の東京オリンピック。
石川)
「大学でも活躍して、その先全日本に入って
また同じコートで世界相手に戦えたらなと思います」
川口)
「自分も本当に日の丸を背負えるように
これから高いレベルのプレーを経験して
頑張っていきたいと思います」
高校バレー界のレジェンドから、
オリンピックのレジェンドへ。
キセキの世代は、歩み続ける。