放送内容

2014年10月19日(日)放送

全日本大学駅伝 中京大学 ~タスキに懸ける熱き想い~

カテゴリー:野球

全日本大学駅伝の東海地区1枠を勝ち取った、愛知の名門・中京大学。
その立役者となったのが、1年の高柳佳怜。

1人1万メートル走り、8人の合計タイムで争われる東海地区選考会。
中京大は最終組2人を残し、1位名古屋大学に1分29秒の差をつけられていた。
その差は距離にしてトラック1周あまり。
2人は序盤から積極的な走りで、名大の2人との差を徐々に広げていく。
それでも、このペースでは、逆転することができない。
レースは残り3分の1、1年の高柳が先輩の山口に合図を送る。

「ちょっと前と間が開いてきたので、1年生がこんなあれですけど、叩かせて頂きました」(高柳)

攻めなければ、後がない。
後半スタミナ切れの心配がある中で、さらにペースを上げ名大を引き離しにかかる。
そして大逆転での全日本出場を決めた。

高柳は東海地区屈指の選手層の厚さを誇る中京大で、1年生ながらその存在感を示している。
川口監督が1年生を最終組に起用したのは初めての事、期待も大きい。

「試合に強いという事と、諦めずに粘る事が出来るレースをしますので。そこら辺の勝負強さと、恐がらないでレースをするという。それが彼の魅力ですよね」(川口監督)

8月、チームは合宿を行なった。
目的は、長い距離を走る自信をつけるため。選手たちは徹底的に走り込んだ。

「20キロ前後をしっかり走れるようにしたいと思いまして。20キロ走り切るスタミナ、そこをやっぱり重視して今回合宿に挑んでいます」(川口監督)

チームを引っ張るのは、エース山口泰輝。
全日本大学駅伝に、ある特別な想いを抱いている。

去年、山口は最長区間19.7キロのアンカーを任せられるも、失速。
順位を落としてしまった為、東海地区の出場枠を1つに減らしてしまった。

「今年の枠を1つ減らしてしまったという責任がありますので。その責任を果たすためにも、失った1枠を勝ち獲る走りをしたいという風に考えています」(山口)

去年のリベンジへ、そして大学4年間の集大成へ、山口が最後の伊勢路に挑む。

選手たちは雨風に晒される中、ひたすら走り続けた。
予定されていた30キロから積極的に距離を伸ばす選手も現れ、自信と手応えを掴む。

「基本的な走る距離のベースが上がったのと。距離に対する不安というものが、まずは無くなっているなと感じています」(木下主将)

「今までは30キロ走はやったんですけども30キロ完走できるかなっていうレベルだったんですよね。そういう部分では40キロやれたっていうのは大きいですよね」(川口監督)

さらに先輩後輩の間でのコミュニケーションを増やす。これも合宿の狙いの一つ。
先輩後輩問わず会話が増えたことで、駅伝に欠かせないチームワークを高めた。

全日本大学駅伝の1カ月前、現在の状態を確かめるため、1万メートルの記録会に参加。
そんな中、エース山口が自己ベストに迫るタイムをマークし、弾みをつけた。
1年の高柳は、レース中に捻挫をしてしまった影響もあり思うようにタイムを伸ばせなかった。
これからコンディションを上げ、本番での飛躍を誓う。

想いを込めたタスキを、次の走者へ。それぞれの想いを胸に、晩秋の伊勢路を駆け抜ける。