フィギュアスケート、新シーズン到来!
浅田真央が現役復帰!
世界のジュニアタイトル2冠を手にした宇野昌磨が、
シニアに参戦するなど
注目が集まる中、
スケーターたちは今、
新たなプログラムに磨きをかけている。
今月上旬、青森県三沢市。
ここにも、
所属クラブの合宿で
追い込みをかける選手がいた。
前髪をバッサリカットした18歳、
本郷理華(邦和スポーツクラブ)。
「流行に乗ったみたいになってるけど(笑)
あんまきにしてなくて(笑)」
166cmの長身から繰り出す
安定感のあるジャンプを武器に、
昨シーズン
シニア1年目にして
グランプリシリーズロシア大会を制覇。
ニッポン女子で唯一ファイナルにも出場し
世界にその名を轟かせた。
「ファイナルにまた出たいって去年思って、
でもそのためには(2戦あるグランプリシリーズで)両方表彰台に
乗らないといけなくて/表彰台に乗るっていうのを目標にして」
この春、名門中京大学に入学。
さらなる飛躍を遂げるべく、
今シーズン掲げたテーマは・・・「挑戦」
「今までと違うところに挑戦していって
自分の表現の幅を広げられたらいいなと考えています」
昨シーズン、
技術点で得点を稼ぐ中、
伸び悩んだのが芸術面が評価される演技構成点。
そんな彼女に救いの手を差し伸べたのが、
クラブの先輩、鈴木明子さん。
振付師デビュー作となる渾身のプログラムを、
悩める後輩に施した。
鈴木明子さん
「今までのちょっとクラシックとは離れて
なおかつ恵まれた体型を活かせれるような
インパクトが強いものがいいかなって」
本郷は、
今までの殻をやぶる新たな分野に挑戦!
ショートプログラムでは
エンターテインメント集団・シルクドゥソレイユの作品、
“キダム”の世界観を表現する。
「不思議な振り付けみたいなものも入っているし
去年までとは全く違った動きがたくさんあるので」
昨シーズン終了とともに取り組み、
先輩と二人三脚で
じっくり熟成させてきた。
「あっこさんは選手のときから
表現力とかが評価されている選手だったので
そういう人に振り付けをしてもらって
構成点のところが前よりも上がったりするのではないかなと思います。」
8月、
振り付けに手応えを掴んでいた本郷は、
ある不安を抱えていた。
「思うような練習ができなかったので
体力も落ちるしジャンプの感覚もおかしくなっていたので」
実は6月まで、昨シーズン終盤に痛めた腰の治療に専念。
ジャンプの練習を再開して
まだ1ヶ月しか経っていない。
「合宿ではジャンプの精度とか曲の中でジャンプが跳べるように」
“遅れを取り戻したい!”
そんな彼女を待ち受けていたのは、
スケート漬けの合宿。
(朝6時45分開始、夜9時半終了)
一日⑥時間リンクに立ち、
弛まぬ努力をし続けた。
「来る前よりはだいぶジャンプも良くなってきて、
確率とかも高くなってきているとは思うんですけど
でもまだまだ試合に入るかはちょっと不安ではあるので」
そんな中迎えた、シーズン初戦(サマーカップ)。
鈴木明子と育んできたプログラムで挑む
初めての試合。
今まで挑戦したことのない
斬新な振り付けを披露していく。
ジャンプもミスなくまとめ、
芸術面を評価する演技構成点は
昨シーズンの初戦を上回った。
フリーでは、
ジャンプの不安が露呈する場面もあったが・・・
ミスを最小限に抑え確かな手応えを掴んだ。
「練習してきたことは出せたと思うし
この状態でここまでできたのでそこは少し自信にして
もっと去年の自分と差がつくようにしていきたいと思います」
2ヵ月後に開幕するグランプリシリーズには、
ジャンプの難度を上げて挑む本郷。
挑戦のシーズンは、まだ始まったばかり・・・。
良く遊び
良く食べ
良く・・・眠くなる
マイペースな彼こそ・・・
昨シーズン
ジュニアのグランプリファイナルで
銀メダルを獲得した15歳、山本草太(愛知みずほ大瑞穂高1年)。
ジュニアながら
シニアの全日本合宿にも呼ばれた将来有望株は、
青森が、2週間で3つ目の合宿。
ハードな夏休みを過ごしている。
世界一を争った宇野昌磨がシニアに転向し、
同世代にライバルがいなくなった今シーズン。
高校1年の彼が
意識をするのは、
憧れの羽生結弦が同い年だった頃の姿。
「普通に4回転とかも降りてましたし
トリプルアクセル羽生選手すごく得意でもう
その当時は自分の武器にしてたので、
そういうジャンプでも自分の武器が出来たらなと思います」
昨シーズン、トリプルアクセルを習得した山本。
さらに今シーズンは
4回転もプログラムに入れ、
2つの大技でジュニアの世界王者を目指す。
「トリプルアクセルと4回転の完成度は完璧ではないので
とにかく今のところはそこに集中したいです」
武器を手にするため重点的に練習。
ところが、時にマイペースな一面が
表れてしまう。
長久保コーチ
「ほらーすぐミスったらジャンプの練習せい!
草太の弱いところはそれだよ、
ゆづ(羽生)が頑張ってるのはどんなに疲れててもミスったジャンプは
必ず立てるまで練習したぞ!」
長久保コーチの檄にも後押しされ、
日に日に大技の成功率を上げていった。
「少しずつプログラムにこの前よりは
入るようになってきたかなと思うので
完成度上げれるようにしたいと思います」
シーズン初戦で
4回転ジャンプの初成功を試みた山本。
惜しくも転倒してしまったが、
初めて4回転と認められる。
しかし、
トリプルアクセルを続けて失敗。
9月上旬の
ジュニアグランプリ初戦に課題が残った。
「今回見つかった課題を一つ一つクリアしていって
プログラムに4回転とトリプルアクセルを
きっちり入れていきたいと思います」
「(ジュニアグランプリでは)
目の前の試合ひとつひとつを本気で挑んで、
その先にファイナルがあるという気持ちで、
ファイナル出るためには優勝目指して頑張りたいと思います」