今、世界で最も勢いに乗る
フィギュアスケーター、宇野昌磨。
初めてのグランプリシリーズで、
なんとファイナル進出が濃厚!
快挙のウラには、シニアならではの試練があった。
「スイッチがあそこで入りましたね!」
17歳の心に火をつけたものとは!?
逆境を跳ね返した舞台裏に迫った!!
中京大中京高校3年、宇野昌磨。
昨シーズン、
4回転ジャンプとトリプルアクセルをマスターし、
一気にブレイク!
羽生結弦以来となる
ジュニアの世界2大タイトルを独占した!!
「食事や体調管理だったりアップダウンだったり
何から何まで変えたので」
飛躍を後押ししたのが
昨シーズンから取り入れた陸上トレーニング。
「筋肉はつきました。
アクセルが跳べたのはトレーニングのおかげかもしれないし」
さらに、今シーズンから
トレーナーが大会に同行。
より入念に準備運動を行っている。
食生活でも変化が・・・
「野菜は全部嫌いですけど、体のために最近は少しだけ食べています」
白米とお肉をこよなく愛する17歳。
栄養にも気を配るようになった。
ジュニア時代、
同じ表彰台に立ったことのある羽生は、
3歳年下の活躍を気に掛けていた。
羽生結弦)
「やっときたか!やっぱりこの時代になるかって感じは
昌磨に関しては強くあります」
グランプリシリーズに初めて参戦する今シーズン。
宇野が掲げたテーマは・・・「守らず」
「シニアで一番下なので
当たって砕ける覚悟でぶつかっていきたいと思います」
開幕戦、アメリカ大会。
今まで、
テレビの中の世界だったという夢舞台へ・・・
実況)
「大きな可能性を秘めた17歳宇野昌磨が
いよいよグランプリシリーズデビューを果たします」
昨シーズンマスターした2つの大技を入れた
ショートプログラム。
1つ目の大技トリプルアクセルを綺麗に決め
幸先の良いスタート。
ところが、演技後半。
もう一つの大技
4回転ジャンプで転倒し、ショート4位。
シニアでは一つのミスが命取りとなってしまう。
翌日の公式練習。
デビューしたばかりの高校生は、
さらなるシニアの洗礼を受けることとなる。
曲をかけて演技するスケーターは
進路を譲ってもらうのが暗黙のルール。
しかし・・・宇野の出番。
跳ぼうとする先には、他のスケーターが!
17歳に早くも包囲網が敷かれていた。
「先生にもよくあることだからそのうち慣れるよって。
スイッチがあそこで入りましたね!」
人一倍負けん気の強い宇野。
この出来事が逆に
「攻める」気持ちを呼び覚ました。
その夜、
迎えたフリー。
4回転ジャンプとトリプルアクセルを
立て続けに成功させる。
そして、疲れがピークに達する後半。
4回転からの連続ジャンプも跳んでみせる!
「あの公式練習がなかったら
多分フリーでも失敗していたと思います」
実況)
「いやいやいや、すごい!スタンディングオベーション!!
攻めてようやく一安心!宇野昌磨がやりました!!」
逆境を力に変え、ノーミスの演技!
2位に浮上し、
ニッポン男子史上、最高のデビューを飾った!!
「率直な気持ちを本当に言いますと、
ファイナルに行くには次も頑張らなきゃなという気持ちですね」
これまで、決して口にしてこなかった
シリーズ上位6人のみが進める舞台、
グランプリファイナルへの思い。
思わず発したウラには、
これまでにない猛特訓があった。
「すごい前よりも練習する中で結果を残してファイナルに行くっていうのを
自分にプレゼントしたいって気持ちが最近出てきたので
今は行きたいって気持ちですね」
宇野の2戦目、フランス大会。
ここで2位以内に入れば、ファイナル進出が決まる。
トリプルアクセル、
そしてショートでは今シーズン初めて
4回転ジャンプも成功させる・
負けたくないという気持ちが自分を支えていると語った宇野昌磨。
完璧な演技で自己ベストを更新!
気づけば、
シニア1年目の17歳がトップに立っていた!!
「やっと今シーズン初めて、
ショートでジャンプを全て成功させることが出来たので
やっとって言う気持ちが強いです。
明日に備えてきょうゆっくり寝て頑張りたいと思います」
ところが・・・
ショートからわずか1時間あまり。
500キロ離れた同じフランスのパリで
同時多発テロが発生。
翌日、急遽大会が中止となった。
大会運営責任者)
「この大会のショートプログラムの順位が最終順位となるでしょう」
予想だにしない結末。
ファイナル進出が濃厚となりつつも
宇野は複雑な思いを抱いていた。
「色んな感情がありますが
次の試合に向けて頑張っていくことが今やるべきことかなと思います」
ファイナルの舞台は、
昨シーズン、ジュニアのグランプリファイナルを制したバルセロナ。
再びこの地で輝くために・・・