年明け早々、吉見は元・同僚・チェン・ウェインの
故郷・台湾を訪れトレーニングをしていた
かつて、左右のダブルエースと呼ばれ
チームの黄金期を支えた二人
現在、チェンは、メジャーの
マイアミ・マーリンズに所属
5年総額約94億円という大型契約を勝ち取り
遠く離れたアメリカでも成功を収めている
キャッチボールをするのも実に5年ぶり
メジャーリーグで活躍する男の成長を感じる
「ボールやっぱすごいわ!ちょっと違うわ!」
メジャースタイルのトレーニングは、
短時間で集中的に行われる
まずは朝早くからみっちり1時間の体幹トレーニング
休むまもなくランニングや
ダッシュを繰り返し、下半身を苛め抜く
このあと、吉見に待ち受けたのが
過酷なウェートトレーニング
約200kgのレッグプレスに
100kg以上ものスクワットを何セットも行う
チェン「余裕!余裕!」
吉見 「余裕なんかあるわけねーだろ!」
一方のチェンはというと
吉見よりもはるかに重いウェートを軽々とこなす
約360kgのレッグプレス
約160kgのスクワット
メジャーでは年間162試合という
長丁場を乗り切るために
シーズン中よりもオフのほうが
より負荷をかけていくという
世界最高峰の舞台で戦う後輩と共にした時間
それは、驚きの連続だった
ここ数年、吉見は右ひじの手術の影響で
満足な成績を残すことはできなかった
常に先の見えない「不安」との戦い
それはチェンも同じ
ドラゴンズ時代には左肘の骨折で
育成に落ちどん底を味わった
そこからの日本で活躍
そして海へと渡った
だからこそ、チェンの存在は
吉見を奮いたたせた
「日本で野球してアメリカに行ってすごい契約をとって
一流の世界に踏み込んだわけやんか。
でも不安って言うのはあるんだなと思えた。」
「結局は先のことなんかわかんないんだから、
トレーニングしないといけないでしょ!
と言ったのね、あいつ。自分の解釈としては
チェンでもやっぱ不安なんやなってことは感じて
一緒だと思えたというか。」
不安を拭い去り、自信へと変える
台湾で受けた大きな刺激を糧に
吉見は一体、どんな姿を見せてくれるのか?
「(開幕投手を)狙ってみようかなと思っている」