spoken!

2009年10月21日(水)

健気な女子たちの戦い

――10月25日(日)杜の都 全日本大学女子駅伝
この大会に向け、日々戦っている女子達がいる。名城大学女子駅伝部。
ここ4年間優勝は無いものの、常に上位3位には位置する、東海地区を代表する女子駅伝の名門校だ。

彼女達は365日、ほぼ毎日寮で共同生活。朝6時からの朝練から始まり、日中は授業。夕方からは練習という超ハードな毎日を送っている。それも、全日本大学駅伝に出るため。生活の全てを駅伝に捧げてきた。
自分に甘い、心の弱い子は絶対に残れない。
そんな彼女達は全員本当に純粋で優しい子達ばかり。
彼女達を取材していると、いつもどこか幸せな気分にさせてくれる。
いつ会っても、どんなに辛い練習をした直後でも、どんなに疲れていても、
元気な笑顔で挨拶してくれる。何と言う健気な子達なんだろう。
全員が目標である、全日本に出場できれば良いのに…といつも思う。

でも、これは勝負。実際に走れるのは29人中でたったの6人。
スポーツの団体は、これがあるから辛い。
メンバー発表では、涙を流す選手、無表情の選手。色々な選手がいた。今の段階では、まだ10人しか分かっていないが、当日走る6人の選手たちは、この29人の戦いに勝って、代表に選ばれた選手。

走れない子達の分も全力で頑張ってほしい!そう心から願う私。
本番まであと1週間弱…。名城大学、4年ぶりの優勝をつかめるのか?!
私は、彼女達を全力で応援したいと思う。

そして、全日本が終わったら、大好きだけど我慢していた、甘い食べ物を沢山ご馳走してあげよう!

2009年10月13日(火)

高潔なる敗者

勝負の世界は厳しい。
内容がどうであれ、当事者そこのけで外野がいくらわめいたところで、
そこには、勝ちと負け、勝者と敗者しかいない。

それでも、だからこそ、時に勝負は美しく気高い敗者を生む。

ACLベスト4をかけ、名古屋グランパスは川崎フロンターレと対戦した。
過去の対戦成績を紐解いても、今シーズンの対戦成績でも川崎の圧倒的有利。
しかもACL準々決勝、先手を取ったのは、ホームで一勝を挙げた川崎だった。
そして、第2戦。グランパスのホームでの戦い。

グランパスはこれまでの雪辱を果たす
3対1の勝利。ここ1番で、グランパスが勝者となった。

試合後、肩を落として帰っていく川崎の選手たちに、
ホーム側のスタッフは掛ける言葉がみつからなかったという。

それでも、何とか「お疲れ様でした」と声をかけると、どの選手も、
きちんと相手の目をみて「お疲れ様でした」と頭を下げていく。

そして、川崎の主力・中村憲剛選手。
「お疲れ様でした」と声をかけたスタッフの方に向き直り、
「頑張ってください」。頭をぺこりと下げて帰った。

戦った者だからこその気概だと、思った。

グランパスは、ただグランパスのためだけではなく、
これまで戦った敗者の想いを胸に戦うことになる。

2009年10月07日(水)

20年

ドラゴンズ一筋20年の井上一樹選手が、先日引退セレモニーを行いました。
井上選手が「今までプレーしてくれた皆ありがとう」と涙を流して語る姿に、
僕も、もらい泣きしてしまいそうでした。

井上選手は、今シーズンの大半を2軍で生活してきました。
1軍に上がっても、なかなか結果を出せない日々が続きましたが、
9月に入り、27打席目にして、ようやく初ヒットを打ちました。
ナゴヤドームは大きな歓声に包まれ、井上選手はベンチに戻ると大号泣。
苦しんで、ようやく打てた気持ちがそれだけで伝わってきました。

初ヒットを打った翌日、井上選手のぶら下がり(インタビュー)を撮ることになり、
僕が質問することになりました。
実はこれが、インタビュー初体験です。
心の中は、緊張してドキドキでしたが、僕の、たどたどしい質問に、
井上選手は丁寧に答えてくれました。

「この9月に入って開幕おめでとうみたいな、メールは来ましたけども、ある意味、僕のシーズン初日だったわけですから、すごく難産でした。」
他にも、無我夢中で監督の言葉を覚えていないなど、談話では聞けなかった話もしてくれました。
初インタビューが井上選手で本当によかったです。

シーズン終了まで、井上選手は現役なので、
クライマックスシリーズでの活躍に期待したいです。