2014年08月25日(月)
「持ってる男のツキとは・・・」「24年間しか生きてきていないですけど、自分にツキがあると感じるとしたら、
一番は、『人との巡り合わせ』だったと思います」
インタビューでこう語ったのは、中日ドラゴンズのルーキー、今シーズン大車輪の活躍をみせている又吉克樹投手。
8月23日時点でチーム2位の登板数となる49試合に登板し、防御率は2.43と
安定した成績を残し、いまやセットアッパーとしてチームに欠かせない存在です。
今月13日のDeNA戦では、同点に追いつかれた7回途中からマウンドに上がり、ピンチを切り抜けると、そのウラ、チームが勝ち越しに成功し今シーズン8勝目。新聞紙上では「勝利を呼ぶ男」などと呼ばれるようになりました。
そんな又吉投手に、「自分自身でツイてる男だと思う?」と聞いてみた所、返ってきた答えが上記の言葉でした。
その理由が、プロ野球選手になれたきっかけという「3つの出会いと巡り合わせ」。
(1) 高校時代、主に打撃投手を務めていた又吉投手にチームメイトのケガで、
試合に出る機会が巡ってきたこと
(2) 高校の監督から大学進学を勧められ、その野球部で、現役時代に「サイドスロー」で
投げていた監督と出会ったこと
(3) 野球を続けられる環境を探していた折に、四国の独立リーグに誘われたこと
この3つの分岐点があったからこそ、今の自分があると又吉投手は言います。
決して、エリートと言えない野球人生から掴んだ「プロ野球選手」の道。
「“8勝”という数字や成績よりもチームに貢献できるよう、“1つのアウトを確実に取れるピッチャー”になりたい」
「ツキ」や「運」だけではなく、「本当の実力」がモノをいう世界だからこそ、現状に満足せず、これからも課題を一個ずつ克服できるように練習していきたいと語るその姿に、
野球への真摯な姿勢を感じたインタビューとなった。
2014年08月05日(火)
指揮官の27年前連日、高校野球が行われている今日この頃だが、
やはり球児にとっての甲子園は特別なものだと誰もが口を揃える。
ドラゴンズの中でも甲子園出場経験がある者、ない者と様々だ。
そんな中で谷繁選手兼任監督にとっての高校野球の思い出は
どんなものだったのか?先日話を聞いた。
島根江の川高(現・石見智翠館高)で夏の甲子園に2年と3年時に
連続出場を果たしている谷繁監督は「強肩強打の4番」として
全国的にも当時から知名度が高かった。
3年時にはベスト8に進出したこともあり、
筆者の「甲子園で一番の思い出は?」との問いに、
てっきり活躍した試合のことを話すと期待していたのだが…
少し考えた後、監督はこう答えてくれた。
「やっぱ高校2年の時に出た甲子園の1回戦で
Y校(横浜商)に完封負けをしたことかなあ。
確か4対0だったと思うんだけど、何一つできなくてさ。
あの試合で自分自身の鼻を思いっきりへし折られたんだわ」(笑)
笑い飛ばしていた監督の横で筆者はその時、
以前話していた言葉をふと思い出した。
「捕手ってのは良いイメージよりも、悔しいとか打たれたとか
悪い方が圧倒的に脳裏に焼きつくもんなんだよ。
プロに入ってから余計強くなったしさ」
捕手というポジションの職業病。
そんな悔しい高校2年の夏から27年の歳月が過ぎた。
谷繁監督は、今も「選手」として野球を続けている。