スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。
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2008/04/12放送
3月30日 リーグ第3節 名古屋vs大分
中村直志からの絶好のクロスに、玉田の身体が宙に躍った。左足が捉えたボールが、ゴールに突き刺ささった。玉田圭司、今シーズン初ゴール。それは、復活への確かな手応えだった。
2007年―。ケガ、そして、監督のチーム構想から外れた玉田は不本意なシーズンを過ごした。シーズン後、玉田の心は揺れていた。移籍か、残留か―。そんな中、あるニュースが玉田の耳にも届いた。ドラガン・ストイコビッチ監督就任。グランパス史上最高のスーパースターは、玉田の憧れのプレイヤー、敬愛するプレイヤーでもあった。 ―その監督の下で、自分は復活できるのか。また輝けるのか!?玉田は残留を決めた。
2008年、J開幕。チーム状態は上々。玉田自身も手応えを感じる中、ストイコビッチ監督が玉田に声をかけた。 ―お前は、代表を目指せ。代表に入らなくてはいけない。
憧れの監督からの言葉は、玉田を奮い立たせた。今年を勝負の年と決め代表をまさに狙いにいこうとする玉田に、吉報が先に届いた。岡田ジャパンへの召集。1年8ヶ月ぶりの代表復帰だった。
ジャパンの青いユニフォームに袖を通し、敵地バーレーンで戦いに挑んだ玉田。しかし、出場時間はわずか8分。チームも1-0で敗れた。フラストレーションは少なからずあった。好調のグランパスに合流した玉田は、大分戦で自分の思いのたけをボールにのせた。そしてもたらされた、今季初ゴール!!
「自分が点が取れて、試合に勝つのが一番いい」
4月11日。28歳の誕生日を迎えた玉田。復活への確かな手応えに笑顔で語った。「やっぱり自分はチームを引っ張っていかなきゃいけない。プレーで」
復活への序章は始まったばかりだ。