スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。
117
2008/04/26放送
今年Jリーグに参入したFC岐阜。開幕から8戦を終えて現在7位。J初参戦ながら大健闘をみせている。
その原動力となっているのが、FWの片山真人。片山の最大の武器はポストプレー。フィジカルの強さを生かし前線で攻撃の基点となる。さらにゴール前で絶好のポジショニングからシュートを狙う。現在4得点を挙げ、チーム得点王、J2でも得点ランキング2位につけている。
ガチャピンににているということから、愛称は「ガチャ」。ユースの名門、ガンバ大阪ユース出身。2002年にはJユースカップで優勝、さらに大会得点王も獲得した。しかし、片山にプロからのオファーはなく、大学へと進学。その後は仕事をするかたわら、北信越1部リーグ(JFLの下のカテゴリの地域リーグ)松本山雅FCでサッカーに励んだ。
そこで片山は、13試合で14ゴールという脅威の得点能力を発揮。その活躍が松永監督の目に留まり、JFLを飛び越え、一気にプロであるFC岐阜に入団した。「やっぱりチームを去るっていうのは少しは寂しい思いありましたけど、逆に自分が上で活躍する事でチームの恩返しになるのかなって。このチームにいってなかったら岐阜に来ることもなかったんで、原点じゃないですけど、その人たちのためにもJで活躍しないといけないなっていうのは思いますね。」アマチュアからプロへ。新たな一歩を踏み出した片山を、遠く離れたサポーターが支えている。
そして、片山は夢に見たJのピッチ。開幕から全試合にスタメン出場。そして第3節。片山はJ初ゴールを挙げた。さらに、決勝点となる勝ち越しゴール。FC岐阜は歴史的なJ初勝利を飾った。さらに、続く第4節。ピッチで躍動する片山は、鮮やかなボレーシュートを決め、チームをホーム初勝利に導いた。
4月19日、片山は24歳の誕生日を迎えた。そしてこの日、もう一つ大きな出来事があった。片山は、長年付き合ってきた女性と入籍した。この記念すべき日、チームは横浜FCとの試合を控えていた。片山は試合前、役所に婚姻届を提出した。「点取れよって言われたんで、どんな試合でもとりたいですけど、取れるように頑張りたいですね」
試合は終始FC岐阜ペース。片山は何度かゴール前でチャンスを作るが、なかなかゴールを決められない。そんな中、前半20分。ゴール前で片山にボールが渡った。そして…片山は奥さんとの約束どおり、ゴールを決めた。しかし試合は2-3で惜しくも敗戦。しかし、片山は今後の目標をこう語った。「やっぱりやるからには優勝目指してやりたいっていうのは思ってるし、個人的に目標といえば、FWやし年間二桁得点は狙ってるし、やっぱりチームの中一番とりたいっていうのもあるし、目標は大きく持つほうなんで、やるからにはJ2で一番目標にやってるんですけど。」
片山はプロとして人生の新たな一歩を踏み出した。チームのため、支えてくれるサポーターのため、そして新たな家族のため、これからも片山は走り続ける。