スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。
119
2008/05/17放送
2008年プロ野球が開幕してまもなく2ヶ月!
ドラゴンズは交流戦を前に、シーズン序盤を阪神に次ぐ2位につけている。
特に4月は投手陣の奮闘が目立った。シーズン1ヶ月間の防御率は何と1.88をマーク!これは1984年の広島東洋カープ以来、24年ぶりに防御率1点台という快挙でもあった。
ところがこの4月はドラゴンズにとって、ケガ人続出の1ヶ月間でもあったのだ。
エース川上は一時、足を痛め登録抹消。200勝を目指す山本昌も背筋痛で2軍落ち(2人は現在、完治し1軍合流)。去年日本一の立役者・山井は再び故障し2軍へ。また星野JAPAN北京一次候補 鈴木も疲労骨折で登録抹消とドラゴンズの核となるピッチャーが相次いで故障する緊急事態だった。
にもかかわらず、4月の防御率は1.88!?
この原動力となったのが、実は若手投手陣だったのだ。
台湾出身のチェンは今ではセットアッパーとして成長し、プロ4年目の川井は貴重な左の先発として活躍。そんな中で最も輝いていたのが プロ3年目の吉見一起だった。
吉見は希望枠でドラゴンズに入団後、プロ2年間でわずか1勝しかできなかったピッチャーだが、今シーズンはキャンプ、オープン戦と素晴らしい調整とピッチングで 開幕1軍をつかみとると、開幕1軍直後は中継ぎでの登板だったが、その後先発として4連勝!!
うち2試合連続完封を含む24イニング連続無失点を記録するなど、過去2年間とは比べものにならない大活躍を見せた。
その要因は一体どこになるのか?
しかし肝心な本人は・・・「考え方が変わっただけです」とサラリ。去年までの吉見は登板するごとに、自分のフォームや打たれたらどうしようという 迷いが振り払えなかったのだが、今年は「自分に良い方に良い方に」といわゆるプラス思考で毎試合臨んでいるのだ。
さらに「カウント1-1にしたら自分の勝ちだと思っている」という確固たる自信があった。2球連続のストライクは3球目をボールにしなければならないという鉄則があり、吉見本人は「もったいない!」と思っていたという。 また先発ピッチャーとして長いイニングを投げたいという想いが強くなり、1イニング10球(3球勝負)という気持ちが強くなったようだ。
それにしても吉見のピッチングは見ごたえがある。5月に入り、4連勝の後2試合は勝ち星がつかなかったが、16日に5勝目を挙げた。未だ、負けがついていない。落合監督いわく「不思議な子だな」と。
プロ3年目、吉見一起・24歳。今シーズン果たして何勝をあげるか楽しみだ。