スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦し続けるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。
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2008/11/08放送
名城大学女子駅伝部。10年前に全日本大学女子駅伝に初めての出場を果たし、25チーム中5位という好成績を残す。2005年には悲願の初優勝を飾った。チームを率いるのは米田勝朗監督。時に厳しく、時には優しく選手に接する熱血監督だ。
現在のチームで中心となっているのが3年生の西川生夏(セイカ)。身長169センチと恵まれた体格を活かし、しなやかに走る名城のエース。2007年にユニバシアード日本代表になり、日の丸を背負ったこともある。実業団もスカウトに来るなど、学生長距離界屈指のランナーである。
だがそんな西川にとって忘れられない思い出となっているのが去年の全日本。1区を任されトップでタスキをつなぐはずが、まさかの失速。チームは3位に終わった。
「去年自分1区任されたときにその役目を果たせなかったのがけっこうあって、流れを作らなきゃいけないところで食らいつく走りも出来なかったし、悔しいという前にそういう走りが出来なかった自分が情けなかった。」
そしてもう一人の注目選手が長崎出身・期待のルーキー、浦川有梨奈(アリナ)。入学当初は故障に苦しんだが、夏の合宿でしっかり走り込み1年生ながらメンバー入りを果たした。今大会は1区が浦川、そして2区は西川が走る。
迎えた本番当日。名城にとってライバルとなるのが3連覇を狙う立命館とそして去年準優勝だった佛教大学。
序盤、1区の1年生・浦川は積極的な走りを見せる。強豪大学と競り合いながらしっかりとトップ集団についていく。だが1キロを過ぎた辺りで飛び出した関西大学の松山についていけない。それでもここからが浦川の真骨頂。粘りの走りで、2区で待つ西川を目指す。トップとは25秒の差。苦しみながらも5位でエース西川にタスキをつないだ。
後輩の思いが詰まったたすきを受け取り、西川は走り出した。1キロ過ぎで先頭集団を捕らえ、トップに立つ。快調に飛ばす西川・・・・だが、佛教大学を振り切れない。すると残り400mで佛教大学の1年生森がスパートをかける。西川は苦しい表情を浮かべながらも離されまいとついていく。最後の力を振り絞り、なんとか2位でタスキをつないだ。その後、名城は3区で順位をひとつ落とす。必死の追い上げも届かず、最終的に去年と同じ3位でフィニッシュ。3年ぶりの全国制覇はならなかった。
あれから1週間、ともに来年のリベンジを誓い、すでに来年に向けて動き出していた。次こそは・・・