スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦し続けるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。
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2008/11/22放送
先日、プロ野球のドラフト会議が行われ今年も多くの選手があこがれのプロへの第一歩を踏み出した。
一方で戦力外通告を受けチームから去らなければならなくなった選手がいる。
中日ドラゴンズから戦力外通告を受けたのはプロ6年目の森岡良介。
「今はチャンスを頂いたと思って、そういう捉え方をしています」現役続行へ挑戦する森岡に密着した。
森岡は高校野球の名門、明徳義塾高校から2002年にドラフト1位でドラゴンズに入団。プロ初打席でいきなり初ヒットを記録するなど非凡な打撃センスを見せつけ早くから立浪2世と呼ばれ大きな期待を受けていた。
しかし今シーズンも1軍の試合に出場したのはわずかに5試合と、プロ6年間で満足のいく成績は残せていなかった。そんな中での戦力外通告となった。
「俺か、と思って。びっくりしましたね。名古屋で活躍する事が獲得してくれたスカウトの方にもファンの皆さんにも恩返しだと思っていたけど・・・。好きなんですよねドラゴンズ。」
秋季練習にも参加し、プロ7年目へスタートした矢先のまさかの戦力外通告。大好きなチームを去らなければならなくなったショックは大きかった。それでも野球は続けたい。
森岡は今回の出来事を「飛躍のチャンス」と捉え、トライアウトに参加することにした。
迎えた運命の日。トライアウトの会場には現役続行を目指して56人もの選手が集まった。プロ野球12球団の編成担当者らが見つめる中、実戦形式でトライアウトは始まった。
5回打席に立った森岡の成績は4打数0安打1四球。残念ながらヒットを放つことは出来なかったが4打席目には際どいコースを見極めフォアボールで出塁。すかさず盗塁を決め積極的なプレーを見せた。
そんな森岡にトライアウト直後、思わぬ吉報が待っていた。
以前から森岡を高く評価していたヤクルトがこの日のプレーを確認し、獲得の意思を示し森岡の入団が内定したのだ。
「すぐに秋季キャンプに参加させてもらうことになりました。良かったな、良かった・・・」
愛媛県松山市にある坊ちゃんスタジアムで行われているヤクルトの秋季キャンプ。
あのトライアウトから1週間。そこにはチームに合流した森岡の姿があった。このキャンプでは新しいチームメイトとともに来シーズンの活躍を目指して厳しい練習に取り組んでいる。
森岡にとって戦力外通告とは・・・。
「チャンスはチャンスかな。でもそれをものにしたいですね。来年はとりあえず、1年間1軍にいられるように頑張るのと、あとは名古屋で、ナゴヤドームでプレーしたいので」
プロ7年目となる来シーズン。ヤクルトスワローズ森岡良介として、チャンスを必ずつかむつもりだ。