高校野球、春のセンバツ。愛知県勢として、4年ぶりにベスト8進出を果たした中京大中京。
甲子園で手に入れた自信を糧に、夏、再びあの舞台に立つため、着々と準備を進めている。
夏の甲子園を目指す上で、重要となるのが、春の県大会。
上位8校が夏のシード権を獲得する、まさに前哨戦である。
しかし、その大事な大会を前に、エースで4番を打つ堂林が、まさかのケガ。試合に出られなくなった。

堂林はセンバツで3試合を一人で投げ抜いた絶対的エース。
また、プロも注目するバッティングセンスを持ち、甲子園で、12打数7安打と6割近い打率を残した。
その大黒柱抜きで、春を戦わなければならなくなった中京大中京。
いきなり享栄との名門対決となった初戦。
中京大中京は1点を先制されるが、3回に打線が爆発。5点を挙げ、逆転に成功すると、その後、毎回得点を積み重ね、6回には3番・河合が強烈なホームラン。
私学四強の一角、享栄相手に14得点。6回コールドで3回戦にコマを進めた。
夏に向けて、好発進を切った中京大中京だが、クリアしておきたい課題がある。
それは、堂林以外の2番手候補のピッチャーがどこまで投げられるか。
中京大中京の夏へのカギとなる2人の右腕。
速球を柱に、キレのあるスライダーとフォークで勝負する、3年生の山田貴大と2年生ながら、コントロールと緩急をつけたピッチングが持ち味の宗雲克政だ。
山田と宗雲はこの大会、先発した試合はともにすべて完投。シード権を獲得し、ベスト4に進出した。

準決勝の相手は宿敵・愛工大名電。その強豪相手に打線が1回から牙をむく。
4番・磯村の先制3ランなどで、2回までに6点を奪う猛攻を見せる。
しかし、先発の宗雲が3回に2点を失うと、4回には名電打線につかまり、4連打を浴びるなど5失点。逆転を許してしまう。
2番手として登板した山田も、終盤1点も許されない状況の中、2点を追加されてしまう。
好調なはずの打線も名電の2番手・久野の前に沈黙。
大量リードからの逆転負けで、決勝進出はならなかった。
中京大中京を破った愛工大名電が決勝で東邦に快勝。夏の前哨戦で優勝を果たした。
この夏、激戦、愛知を制すのは、果たしてどこか。
その戦いの火ぶたが切られるまで、あと2カ月。