スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦し続けるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。
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2009/05/23放送
5月9日。FC岐阜は4点を奪い岡山に快勝。実に10試合ぶりの勝利にホーム長良川が沸いた。喜びを爆発させる選手たち。
しかし、試合後、エース片桐に笑顔は無かった…。
左足から放たれる正確なフリーキック。そして絶妙なアシスト。昨シーズン、9得点を挙げチーム得点王に輝いた、FC岐阜の絶対的エース 「片桐淳至」
若手中心のチームへと生まれ変わった新生・FC岐阜は、開幕戦を白星スタート。第4節ではホーム初勝利を飾るなど、若さ溢れる新チームへと変貌を遂げた。ところが、その後10試合勝ち星なし。18チーム中16位と、下位に低迷していた。そして昨シーズンのチーム得点王、片桐も、14試合で奪ったゴールはわずかに1得点。片桐はチームの敗戦と、自分の不甲斐無さを重ね合わせた。そんな、チームが低迷する中での岡山戦。実に10試合ぶりの勝利。片桐も2得点に絡む活躍を見せた。だがこの日も、片桐は得点を奪うことができなかった。
試合後、片桐は、「ホームで勝てた事は嬉しいですけど、点が取れないので歯がゆいっす。」
片桐が感じていた、歯がゆさ。それは「エース」への強い思いの裏返しでもあった。
「やっぱりエースっていうのは試合を決めてくれる人間だから、そこをやり遂げてこそ、やっぱりエースと呼ばれる人間だと思うので。点欲しいっす。やっぱ点取りたいですね。自分の役割っていうのは、ゴールに入れることだから…」
FC岐阜、片桐淳至。エースとしての自覚。だからこそ見せる、貪欲なまでのゴールへの想い。この男のゴールこそが、チーム浮上の鍵を握る。