スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦し続けるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。
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2009/12/12放送
名古屋グランパス。ドラガン・ストイコビッチ監督。
指揮官として迎えた2年目、チームはAFCチャンピオンズリーグという、新たなステージに挑んだ。09年の戦いの軌跡をカリスマ指揮官はどう捉えているのか?
今シーズン、グランパスは札幌からダビを獲得。前の年、リーグ16ゴールを挙げたストライカーの加入は、チームの攻撃力を加速させると期待されていた。シーズン開幕からの3ヶ月間で、グランパスは公式戦18試合を戦い、うち黒星はわずか3つ。チームは好調なスタートを切ったと思われていた。しかし、徐々にダビ頼りの戦いに、歯車が狂い始める。
《ストイコビッチ監督談》
ダビは個人として能力高いプレーヤーだ。しかし、時折自己中心的なプレーが目立った。
それでも結果を残していたので、チームはダビに頼らざるをえなかった。その結果、チーム全体の共通理解、連動性といった部分が失われ、チームとしてのクオリティは下がってしまった。
その打開策として、ストイコビッチ監督が求めたのは、ポストプレーが出来、チームプレーに徹することが出来るFW。そして、その指揮官の求めた選手こそが、ジョシュア・ケネディ。
ケネディの加入で監督が描いていたのは・・・。ケネディをトップに、そしてダビを2ndストライカーに配する、超攻撃型布陣だった。ところが、その思惑は、ダビの中東クラブチームへの電撃移籍という思わぬ事態の前に崩れ去る。
それでも、長身で、チームに献身的なプレーに徹するケネディの加入は、確実にチームの状況を好転させる。ACL準々決勝では、ケネディの加入で、グランパスのサイド攻撃、スタイルが復活し、川崎に勝利。日本勢唯一のベスト4進出を果たした。
そして、準決勝。中東の地に乗り込んでの戦い。指揮官には、勝算があった。
しかし・・・
不運な退場処分もあり、グランパスはアウエイで、6対2の大敗を喫する。
日本勢3連覇の夢は潰えた。しかし、ACL初出場でベスト4の結果は、誇れるものだった。
そして、監督は次なるステージをすでに見据えていた。
《ストイコビッチ監督》
フットボールの結果というのは常に何かに左右される。だから勝つこともあれば負けることもある。それでも大事なのはチームとしての基盤を確立することだ。私は、これを育んでいき私が理想とするモダンフットボールをこのチームで完成させたい。