アスリートドキュメント

スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦し続けるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。

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ドラゴンズ 伊藤準規

2010/3/6放送

~開幕へ向けて~

2008年のドラフト会議でドラゴンズから2位で指名を受けた伊藤準規。
甲子園出場こそないが、最速147キロをマークする素質を買われた。

ルーキーイヤーとなった去年の9月30日の巨人戦。
伊藤はシーズン終盤ながらプロ初登板を果たした。
破壊力抜群の打線を相手に、ノーヒットピッチング。
わずか1イニングではあったが、鮮烈なデビューを飾った。

そんな伊藤が2年目に掲げた目標・・・
それは「開幕投手」という大胆なものであった。

「高い目標を持ってやることで自分も頑張れるので。常に高い目標をもってやっていきたいです」

あえて高い目標を設定することで、プレッシャーをかけ己を奮い立たせる。

そして新たなシーズンが始まり、一軍でキャンプのスタートを切った。

さらなるレベルアップを計るため、伊藤が真っ先に取り組んだのが「フォームの修正」

持ち味であるストレートの球速は150キロを超えるものの、これまで安定感に欠ける時があった。
コントロールをより確実なものにするため、下半身の使い方や腕の振りなどを改善していく。
連日、森ヘッドコーチと共に理想のフォームを追い求めていく。

つきっきりで指導をする森ヘッドコーチは、伊藤投手についてこう語る。

「魅力的なものは速いボールを投げられる。ただこれが、本当に(指に)かかった時ね。
これが10球に1球では何もならないし。5球に1球でも意味がないので。
回転のある速いボールを自分の持っている球を5球のうち4球は投げられるんだというものにしていかないと、良いバッターには難しいだろうけども。
魅力があるピッチャーなので、そういう風に育てたいなとは思っています」

キャンプ中盤から行われた練習試合では好投する日があれば、打ち込まれる日もあった。
日々、試行錯誤を繰り返していく。

オープン戦初登板となった3月3日の巨人戦。
ベストメンバーを揃えた強力打線に伊藤が立ち向かう。
序盤からストライクが先行するテンポの良いピッチング。
ストレート・変化球ともに抜群のキレをみせた。

「だいぶしっかり腕も振ってキレのあるボールも投げられているんですけど、まだ自分の求めている球までいっていないので。しっかりかかったキレのいい球を自分の理想とする球を投げられるようにしていきたい」

開幕まで残すはあと3週間。
開幕投手、さらにはローテーション入りへ名乗りを挙げるべく伊藤の挑戦は続く。


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