アスリートドキュメント
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女子ソフトボール 増淵まり子

2004/04/10放送

~本能の目覚め~

 2000年シドニーオリンピック、女子ソフトボール。日本は決勝で宿敵アメリカに敗れ、銀メダル。日本チームの最年少、20歳の大学生、増淵まり子は「表彰台の上では1回も笑えなかったんです。本当に悔しくて」
 決勝戦、日本は宇津木麗華のHRで1点を先制。先発・増淵はアメリカ打線を抑えていく。しかし5回、自らデッドボールでピンチを招くと、右中間にタイムリーを運ばれ、同点とされる。「自分の失投なんです。しっかりしたボールを投げてたら絶対にゼロに抑えられたと思う」予選から決勝までこれまで19イニングスを無失点。増淵は唯一の失投だったと振り返る。「もう1回アメリカとやって勝ちたいっていう気持ちがなぜかありました」表彰台の上で、20歳の増淵は早くも4年後を見据えていた。
アテネオリンピックまであと4か月。来月発表される日本代表選手は15人。うちピッチャーとして選ばれるのは多くても4人。現在、代表候補として名を連ねる、上野由岐子、坂井寛子、高山樹里、そして増淵。さらに史上最年少代表候補として注目される、坂本直子。代表争いは熾烈だ。
 シドニーでは高低のあるライズ、それによって生かされるチェンジアップを駆使し、各国強豪打線から面白いように三振を奪い、大ブレークした増淵。だが4年が経過するうち、バッテリー間延長などのルール改正により、これまでのまま変わらない訳にはいかなかった。
 2004年、2月。グアムからスタートした代表候補合宿は、3月には沖縄を経て、イタリアに辿り着いた。そこで行なわれた実戦登板後、増淵はある『手応え』を口にする。
 「1球1球自分がどこに打たせたいかを考え、打たせて取ることが出来たと思う」
それまで、とにかく三振を奪おうと自分のことばかり考え、「バッターと対戦していなかった」という。考え方を変え、打たせて取るピッチングを身体の感覚でつかみつつあるという。増淵のピッチャーとしての本能が目覚めた。「シドニーの時は自分のせいで点を取られたから、アテネでは少しでもチームに貢献したいです」輝く笑顔で語った。「ここまで来たら絶対出たいですね」その瞳が一段と輝いた。
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