アスリートドキュメント
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女子レスリング 48kg-伊調千春・坂本真喜子

2004/04/17放送

~最後の切符~

アテネ五輪で金メダルラッシュが期待されている日本女子レスリング。
世界戦無敗の55kg級・吉田沙保里をはじめ、72kg級・浜口京子、63kg級の伊調馨の3人はすでにアテネ五輪代表を勝ち取っている。後ひとつ、48kg級の代表だけがまだ決まっていなかった。最後の切符を争っていたのが、伊調千春と坂本真喜子の2人であった。
アテネ五輪代表選考第1ラウンドの全日本選手権では伊調が勝利したものの、第2ラウンドのクイーンズカップでは坂本が勝利し、代表争いはプレイオフに持ち込まれた。

伊調と坂本はともに青森県出身で、現在は同じ中京女子大学に通う仲間である。更に二人には特別な共通点があった。共に世界チャンピオンの姉妹がいるのだ。伊調千春の妹・馨は現在世界選手権2連覇中の金メダル候補。そして坂本真喜子の姉・日登美は怪我の影響でアテネには間に合わなかったものの2000年、2001年と世界選手権を制している。つまりレスリングを知り尽くした姉妹同士の戦いとなったのだ。


そして迎えた4月13日のプレイオフ。
試合序盤、積極手に攻めたのは坂本だった。得意のタックルを何度も試みる。しかし、伊調のディフェンスは堅く、ポイントは奪えない。対して伊調もポイントが奪えず、第1ピリオドは両者ポイント無しで終了。そのため第2ピリオドはクリンチからのスタートとなる。このクリンチの攻防が勝敗を分けることになった。
パワーで勝る伊調が坂本を投げ、一気に3ポイント奪ったのだ。そしてこのまま試合終了。

アテネ五輪女子レスリング48kg級の代表は伊調千春に決まった。2人は試合終了後、半年振りに笑顔で話し合った。坂本は伊調に夢を託し、夢を託された伊調は坂本と金メダルの約束を交わした。
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