アスリートドキュメント/スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します

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中日ドラゴンズ 中里篤史

2007/03/24放送

~譲れない想い~

去年の日本シリーズ第5戦。8回裏。あの新庄の現役最後の打席。中里は真っ向から勝負を挑み三振を奪うと大きなガッツポーズを見せた。しかし…
「あそこでガッツポーズは無いだろうと友達とか知り合いにも言われた」というように批判を受けた。だが、中里にも譲れない想いがあった。

ドラフト1位で入団した中里は、初登板となった巨人戦で、まるで浮き上がるようなストレートを投げ、初三振はあの清原から奪うなど、将来のエース候補として衝撃的なデビューを飾った。ところが、2年目に右肩を痛めると度重なる故障に見舞われ、おととし長いブランクを経てようやくマウンドに立った。そして去年は中継ぎとして自己最多となる13試合に登板。シーズン終盤に手応えをつかみ完全復活が見えてきた。そんな中で迎えた、あの試合。

「新庄さんを抑えなければ、チームも乗っていけないだろうし打たれたら決定的だと思ったので最終打席かもというのは心の隅にあったけど、チームのために抑えなきゃというのが強かった」最後の打席だというのは理解していた。だが打たれる訳には行かない。中里は全力で真っ向勝負を挑んだ…。「新庄さんを抑えて逆転という気持ちがあったので、自然とガッツポーズが出てしまった」批判は受け止める。だが、勝利への強いこだわりから自然と出たガッツポーズだからこそ、中里に悔いは無い。

中里は今シーズン、継投の命綱とも言うべきセットアッパー定着を目指している。オープン戦では確実に結果を残してきた。その原動力となっているのがストレート。そしてセットアッパー中里篤史に欠かせないボール。「中継ぎで1イニングなので全てストレートというのが理想なんですけど」理想はストレートでの真っ向勝負。そのストレートにも強いこだわり、譲れない想いがある。「今できるフォームで1年目を超えたいという気持ちはもちろんあるし、スピードでも超えたいというのはあるので怪我をする前より凄くなったと言われたい」1年目に投げたあのストレート。それを超える。すべての答えがそこにある。「ストレートにこだわる」理想のピッチングスタイル。それが実現できた時、セットアッパー中里篤史がマウンドで躍動する。