アスリートドキュメント/スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します

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フィギュアスケーター 安藤美姫

2007/04/07放送

4フィギュアスケーター安藤美姫。世界フィギュアで優勝し、世界女王にまで登りつめた。優勝が決まった瞬間、安藤は涙で顔をくしゃくしゃにし、全身から喜びを爆発させた。それは彼女のこれまでの道のりの険しさを表していたのかもしれない。

2006年2月トリノ五輪。安藤は最後までこだわり続けた4回転に挑んだが、転倒。15位に終わり、納得のいく演技ができずに終わった。世間からは「なぜ安藤が日本代表になったのか。」という声まで出た。憧れだった夢舞台は18歳だった安藤にとっては厳しい場所でしかなかった。
しかし、そこから安藤は大きく変わろうと決意。”もう一度、安藤美姫らしいスケーティングがしたい“。スケートを始めた頃の恩師・門奈裕子コーチに再び指導を仰ぎ、ジャンプの基礎を一から叩き直すことを選んだ。そして地道な努力が実を結ぶ。シーズン初戦のグランプリシリーズアメリカ大会で全てのジャンプを成功させ、自己最高得点で初優勝を飾る。二戦目のフランス大会では演技最初のジャンプで失敗したが、その後立て直し2位。今シーズンの安藤は一度失敗すると立て直せなかった昨シーズンとは明らかに違っていた。復活を印象づけた安藤だったが、試練が待っていた。
12月に行われたグランプリファイナルはまさかの5位。突然の体調不良が原因だった。さらに全日本選手権では肩の故障に襲われ、2位に終わった。そして安藤は怪我のため練習が思うようにできないまま、世界フィギュア本番を迎えることになる。

しかし、そこで安藤は驚くべき強さを見せつけた。他の有力選手がフリーでミスする中、最終滑走というプレッシャーの中、落ち着いた演技で自己最高得点を出し、逆転優勝。トリノでこだわった4回転を敢えていれず、今持つ力を出し切ることで勝利をつかんだ。それは”勝つためのスケート“だった。様々な経験が安藤を確実に成長させていた。世界女王が次に目指すもの、それはバンクーバーでの最高の笑顔なのかもしれない。