アスリートドキュメント/スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します

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中日ドラゴンズ 井上一樹

2007/07/07放送

~新たな決意「凛として」~

今シーズン、まさかの2軍スタートとなった井上一樹。
去年まで8年連続で開幕1軍を果たし、主力としてチームを引っ張ってきたプロ18年目のベテランに試練が訪れた。

10歳以上も離れた若い選手に混じって練習に打ち込む日々。しかし、シーズン序盤は試合への出場機会も少なく、思うように結果をだせないでいた。それでも井上はキッパリと言い切った。「俺が出るよ、出るよというわけにもいかないし、今は本当に割り切ってやっているから。」自分本位にならず、井上は気持ちを切らすことなく練習に打ち込んだ。

そして開幕からおよそ2ヶ月たった5月23日のロッテ戦で井上は遂に1軍に昇格すると、出場5試合目となった6月2日のソフトバンク戦では今シーズン初ヒット。そして井上は小さく強くこぶしを握り締めた。

「無意識のうちにね。よっぽどうれしかったのか出ちゃいましたね。やっと開幕したなという感覚でした。」

例年と比べ2ヶ月遅れの開幕。そして井上の快進撃が始まった。現在打率は3割を超え1軍の戦力としてなくてはならない存在となっている。そんな井上を支えているのは、苦しかったあの2ヶ月間。

「みんな本当にガムシャラにやる訳ですよ。そいう時代が自分にもあったなと。18年目にしてそういう光景を目の当たりにしてやっぱり原点というかね…」

苦難を経て取り戻した「原点」。そして感じた新たな想い。「どんな局面に立っても、どういう風な立場におかれようとも凛としていたい。」態度が引き締まって、りりしいさまを表す言葉「凛」。

シーズンは折り返しを迎え、これからペナントをかけた本当の戦いが始まる。いいときがあれば悪いときもある。どんな時でも凛として。決意を新たにした井上がこれからもチームを引っ張っていく。