研究コーナー
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スリップストリーム

2004/06/19放送

スポーツと密接な関係を持つ『風』。風は時として勝敗をも左右する。野球で平凡な外野フライだったはずの飛球が風に乗ってホームラン。また、ゴルフで完璧なショットを打ったにもかかわらずグリーンを外すなどプロであっても風の抵抗はさけられない。
が!しかし、この風を利用した作戦をとるスポーツもある。その代表的な作戦がカーレースで使われる走法『スリップストリーム』。スリップストリームとは前方を走る車の後方に車体を合わせる走法、これは風をさけるだけでなく、前方の車が起こした気流にのって走るため持っている力以上のスピードで走ることができる。

そこで、車ではなく人の力だけでスリップストリームを使い速く走ることはできるのか自転車競技で実験してみた。まずは、競輪選手2人に風速計をつけて並んで走ってもらった。
前の選手は秒速14,3メートルに対し後を走った選手は10,8メートル。後方の選手は「吸い込まれるような感じがする」、と言うようにスリップストリームは起きた。
競輪選手はトラックの後ろであればスリップストリームで100キロくらいは出す事ができるという。
では、一般の人でもスリップストリームで速く走ることができるのか?
いつも自転車に乗っている主婦に選手の後ろで走ってもらった。が、結果は全く速く走ることはでき無かった。なぜなら競輪選手が走るスピードはおよそ60キロ、これに対し主婦が走ったスピードはおよそ25キロ。スリップストリームは前を走る物体が風圧を受ければ受けるほどおこりやすく主婦が走るくらいのスピードではまず感じることはできない。
まとめ

人は競輪選手のように鍛えなければスリップストリームを体感する事はでない。

 

次回予告

世界陸上で見事な銅メダルを獲得した末續慎吾。
その速さの秘密は、「ナンバ走り」にあった。
驚異!究極の走法、ナンバ走りの秘密に迫る!

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