そろそろ日本全国で始まる秋の運動会。みなさんは運動会の徒競走の時、こんな疑問を抱いたことはないだろうか。「走るときの手のひらの形で速いのはグー?それもとチョキ?はたまたパーなの?」そんな素朴な疑問から我々は調査を開始した。
トップアスリートの走りを見てみると、多くの選手がパーの形をしている。一方、日本の末續慎吾選手は、パーの形からゴール前でのラストスパートでグーの形に変えていた。このように、トップアスリートの中でも様々な手の形がある。まずは空気抵抗との関係があるかどうか、元100m日本記録保持者・青戸慎二さんに聞いてみたところ、「関係はない」との事。
ならば…というわけで、スポ研的にどの手の形が速いのか実際に実験してみた。今回の実験では、中学生と大学生それぞれ3人がグー・チョキ・パーと3回走ってもらい、タイム差を比べた。結果は中学生はグー・チョキ・パーそれぞれに自己ベストを記録。
一方、大学生は3人のうち2人がパーで自己ベストを出した。しかし、どうやらどの手の形でも速さにはあまり関係ないようである。
この結果から名古屋グランパスエイトの近藤ドクターはこう説明してくれた。速く走るためには、力を抜いたリラックス状態のほうが良い。必要な筋肉だけに力をいれるという事が必要になるが、特にチョキはある程度、意識を持ってどこかの筋肉を緊張させて硬くなってしまうことから、遅くなってしまうのではないかと考えられるのである。
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