マラソンの記録達成の影の立役者「ペースメーカー」。
“レースのペースを作り、選手を先導するランナー”のことを言う。
マラソンの世界最高記録は男女ともペースメーカーのついた大会で作られている。
日本でペースメーカーが公認されたのは2003年。
日本の場合、記録を演出する以上に、スローペースにならないよう“レースを作る”という役割が大きい。
去年、高橋尚子選手が復活優勝を果たした東京国際女子マラソンにもペースメーカーは起用されていた。
スポーツライターの増田明美さんは高橋が快走した一因として、ペースメーカーの存在がいい影響を与えたと語っている。
前半速く入りがちの高橋はこれまで後半スピードを上げ切れないケースが多かった。しかし今回はペースメーカーのスピードに合わせて走ったことで、後半失速しない走りにつながったというのだ。
またマラソン日本歴代2位の記録を持つ藤田敦史選手も「ペースメーカーの出来がレースを大きく左右する」と証言する。
ペースが一定で上手いペースメーカーならいいレースができるが、下手なペースメーカーならレース自体がこわれてしまうというのだ。ペースメーカーと選手の相性も大切である。
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