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カットボール

2006/08/12放送


プロ野球の世界において、かつて魔球と呼ばれた変化球がある。杉下茂の「フォーク」、山田久志の「シンカー」など。そして今最も注目を浴びているのがドラゴンズのエース・川上憲伸の「カットボール」である。
今や、球界のエースへと成長した川上だが、プロとしての自信を失いかけていた2年目、この「カットボール」に出会った。
「全く違う自分を発見できたし、自分自身勇気づけられる球ですね」と川上が言う。

当時、「カットボール」は日本では投げられていなかった。それを広めたのが、日本ハム・ドラゴンズなど4球団を渡り歩いた、武田一浩(現・プロ野球解説者)だった。
日ハム時代、チームメイトだった外国人選手(M・ウインタース)から、アメリカで流行っていた「カットボール」の存在を聞いた。
試行錯誤の末、完成させた「カットボール」、それを武器にパ・リーグで勝ち星を積み重ね1999年FAでドラゴンズへ。
まだセ・リーグでは知られていない変化球に周りからは「あのボールは何ですか?」と聞かれたという。その中に、プロ2年目の川上もいたというわけである。

ではこの「カットボール」とはどんな変化球なのか?
通常、変化球は投手の手元を離れる瞬間、いわゆるリリースポイントで球の軌道が上方向へ膨らむ。
ところが「カットボール」はストレートと同じ、ほぼ真っ直ぐの軌道を描くのだ。
打者にとっては、ストレートとほぼ同じ軌道を描き、打者の手元でほんのわずか(ボール1個~1.5個)スライドする。
ストレートと思い強振するが、そのボールの微妙な変化で打損じるというわけだ。
見た目には変化が少ない「カットボール」ではあるが、効果は絶大。
ドラゴンズのエース・川上憲伸はこの「魔球」を操り、チームを悲願の日本一へと導く。

次回予告

次回は「ラジオ体操」を大研究。 誰もが夏休みに経験したことのあるあの体操。ではいつから始まったのか?誰が始めたのか?どうして普及したのか?みなさんは知っていますか?
経験はあるのに意外と知られていない「ラジオ体操」の真実が明らかになる。

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