プロ野球の世界において、かつて魔球と呼ばれた変化球がある。杉下茂の「フォーク」、山田久志の「シンカー」など。そして今最も注目を浴びているのがドラゴンズのエース・川上憲伸の「カットボール」である。
今や、球界のエースへと成長した川上だが、プロとしての自信を失いかけていた2年目、この「カットボール」に出会った。
「全く違う自分を発見できたし、自分自身勇気づけられる球ですね」と川上が言う。
当時、「カットボール」は日本では投げられていなかった。それを広めたのが、日本ハム・ドラゴンズなど4球団を渡り歩いた、武田一浩(現・プロ野球解説者)だった。
日ハム時代、チームメイトだった外国人選手(M・ウインタース)から、アメリカで流行っていた「カットボール」の存在を聞いた。
試行錯誤の末、完成させた「カットボール」、それを武器にパ・リーグで勝ち星を積み重ね1999年FAでドラゴンズへ。
まだセ・リーグでは知られていない変化球に周りからは「あのボールは何ですか?」と聞かれたという。その中に、プロ2年目の川上もいたというわけである。
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