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ビールかけ

2006/10/14放送

10月10日、中日ドラゴンズが2年ぶりのセ・リーグ優勝を果たした。
落合監督は感激の涙で瞳を潤ませ、選手たちを褒め称えた。

祝勝会のビールかけでは、監督も選手も大騒ぎ。童心に帰って、体いっぱいに喜びを爆発させた。緊張感の中で戦ってきた選手たち、この日は普段見せることのない様々な姿を見ることができた。川上憲伸投手は酒樽ごと日本酒をかけられ、毅然としたマウンドさばきからは想像できない面白トークを披露。掛布氏の物まねをするなど、エンジン全開だった。岩瀬仁紀投手はビールかけの最中になんと鼻血を出してしまった。しかもお酒に弱いため、ふらふらになっていたが、心から楽しんでいる様子がうかがえた。ビールかけはこれまで頑張ってきたご褒美。まもなく迎える日本シリーズに向けて、ちょっぴりリフレッシュできたのかもしれない。

それにしても毎回、ビールかけを見る度にそのすさまじさには驚かされる。そこで、ふとした疑問が。“ビールかけはいったいいつから行われているのか?”不思議に思い、調べてみると野球の専門誌に“日本のプロ野球初であろうビールかけの写真”が掲載されていた!1959年南海が日本シリーズに優勝した時の写真で、ビールをかけられていたのはなんと親分こと大沢啓二氏だった。大沢氏によると、たしかに1959年が日本で初めてのビールかけらしい。最初にかけたのはカールトン半田という日系2世の選手。我々はカールトン半田氏に直接話しを聞きたいと、所在を探したところ、現在はハワイにいることが判明。さっそく電話をかけてみた。するとご本人が電話口に!カールトン氏によると南海ホークスに在籍中、アメリカで経験したことのあるシャンパンファイトをごく自然に行っただけだという。日本だったので、たまたまビールかけになったそうだ。カールトン氏が真っ先にビールをかけた相手が、日本シリーズで巨人相手に4戦連続で4勝した杉浦忠投手だったこともわかった。中日ドラゴンズが日本一になったのは1954年、カールトン氏がビールかけを日本で行う前だった。

今年日本一になれば、ドラゴンズとしては球団史上初めて“日本一でのビールかけ”となる。

次回予告

今回のテーマは「日本シリーズ」。プロ野球最高の舞台にはこれまでさまざまなドラマや歴史に残る名勝負があった。3連敗からの4連勝、大舞台で力を発揮するシリーズ男の存在など、日本シリーズの真実に迫る。そして52年ぶりの日本一に向け準備を整えているオレ流・ドラゴンズはどうなっているのか!?シリーズの鍵を握る不惑の41歳のサウスポーを直撃!!
10月21日の「光る!スポーツ研究所」をお楽しみに!!

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