夏の甲子園を沸かせた2人のエース。早稲田実業高の斎藤佑樹投手と駒大苫小牧高の田中将大投手が、それぞれ違う道を歩むことになった。斎藤投手は進学、田中投手はプロの道を選んだ。はたして、2人の選択はどちらが正解なのか。
今年度のドラゴンズのドラフト指名選手の内訳は高校生2人・大学生4人・社会人2人と、大学生が最も多い。ドラゴンズの中田スカウト部長によると、最近は即戦力の「大学生・社会人」を優先する傾向が強いという。ドラフト全体でも、始まった当初からずっと高校生が多かったのが、最近ではほぼ半々になった。高卒で実業団入りするのが当たり前だった女子スポーツ界でも、大卒の選手が増えている。
大学には、プロではできない野球以外の経験を含めた4年がある。しかし、思わぬケガをするなど4年後に再び指名されない可能性もある。プロに進んだ場合、入団と同時に数千万円の契約金と、最低年俸の440万円が約束される。大学ではなくプロで4年間過ごせば、最低でも1800万円近くの収入がある。また、選手寮や室内練習場などの充実した設備があり、野球に集中できる環境がより整っているのもプロだ。しかし、プロ野球界では一軍選手でも平均選手寿命が約10年と言われている。
やはり、セカンドライフに備えて進学しておいた方が良い選択なのか。しかし、大学でプロになれなかった多くの選手を見てきた中京大学の北川教授は、「日本では微妙なところはあるものの、世界的に見ると中卒、高卒で早くから、プロに入ったほうが良い種目がたくさんある」とのこと。
という事で、プロになるなら高卒・大卒どちらが有利なのか、その活躍度を調べてみると。2006年度の年俸上位選手・ベストナイン受賞選手では大学出身選手が、来年度メジャーリーグでプレーする選手や最近の名球界入りした選手では圧倒的に高校出身選手が多かった。
やはり一概には、どちらが有利とは言えないようだ。
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