実は、ここに驚くべきデータがある。
オリンピック水泳競技で日本が獲得した金メダルは18個。
そのうち、実に半分の9個が平泳ぎで獲得しているのだ。
日本人が最も世界記録を出しているのも平泳ぎ!
いったい何故、日本人は平泳ぎに強いのか!?
過去のメダリストを見てみると・・・
「前畑ガンバレ!」のベルリンオリンピック金メダリスト前畑秀子。
「今まで生きてきた中で一番幸せです」バルセロナ金メダリストの当時14歳・岩崎恭子。
「ちょー気持ちいい」アテネでは、2冠に輝いた北島康介。
このように日本中を沸かせてきた平泳ぎスイマーたちだが、それは同時にルールとの戦いでもあった。
中でも、ルール改正に振り回されたのは、中京大学水泳部監督の高橋繁浩。早くからその将来を期待されていた高橋だが、モスクワオリンピック選考会で、泳法違反となってしまう。
当時のルールでは、常に頭の一部が水面から出ていなくてはならないとされており、高橋の泳ぎは、頭が水面に沈む、水没泳法とされ、失格となってしまったのだ。
その後、泳法を直し、ロス五輪に出場した高橋だが、本来のチカラを出すことができず、メダルには遠く及ばなかった。
そして、自分の泳ぎを否定されたまま、一時は引退する。
しかし、1986年、ルールが改正となり頭の水没が認められるようになり、それを機に、高橋はカムバックを果たす。
2年後のソウルオリンピックで、日本新記録を樹立。
見事、自らの泳ぎを取り戻した結果だった。
世界のトップに立ち続ける日本勢。
その強さの秘密は、どこにあるのだろうか??
平泳ぎは、他の自由形、背泳ぎ、バタフライなどに比べ、抵抗力がかかる。その抵抗力といかにして戦うのか?がポイントとされ、技術介入度が非常に高い泳ぎなのだ。
だからこそ、小柄な日本勢も、技術でカバーできる平泳ぎで強さを発揮できるのだと高橋は語る。
さらに、世界水泳でもメダルが期待される北島康介の泳ぎにこそ現在世界最高の平泳ぎの技術があるという。
(1)ストローク
他の選手と比べて、北島のストローク数は少ない。
ストロークをすればするほど、スピードが上がると思うが、平泳ぎの場合、その分抵抗が大きくなるので、
単純に、多ければ多いほど有利というわけではない。
(2)ストリームライン
抵抗をできるだけ減らした流線型の姿勢のこと。
体を水面と平行にし、真っ直ぐにすることで推進力が増す。
北島は、世界一美しいといわれている。
光る!スポーツ研究所的結論!
日本人が平泳ぎに強いのは、あくなき技術進歩への挑戦があったから!世界水泳でも、メダルの期待は高まる!