開幕まで1年をきったオ北京リンピック。日本のメダルが期待できる競技といえば、日本のお家芸柔道、世界最強・吉田さおりを筆頭とした女子レスリング。世界記録も狙える水泳。そしてまた、自転車でもメダルが期待できる。

1992年のアトランタオリンピックでは十文字貴信が見事銅メダルを獲得。日本中を驚かせ、前回のアテネオリンピックでは伏見、井上、長塚がチームで銀メダルを獲得。日本自転車競技の強さを世界にアピールした。

かつて自転車競技といえば競輪界のスーパースター中野浩一。1977年世界選手権スプリントで金メダルに輝くと、その後1986年まで前人未到の10連覇を達成。日本国内ではもちろんヨーロッパでも中野の名前は広く知れ渡った。

女子ではスピードスケートの女王、橋本聖子。スピードスケートで国内無敵を誇った橋本は自転車競技でもその才能をいかんなく発揮した。

一言に自転車競技といっても種目はさまざま。中野浩一が10連覇を達成したスプリント。そして順位を争う日本が生んだ競技、ケイリン。アトランタオリンピックで十文字が銅メダルを獲得したタイムトライアル。3人一組で走り先導した選手が1周ごとにチームから離れ3人目がゴールしたときのタイムを競うチームスプリント。ホーム側とバック側から2人の選手がスタートし、追い抜くか、完走したときのタイムで勝敗を決める追い抜き。オリンピックなどでは20人から30人の選手が一斉に競うポイントレース。ポイントレースとはレース中2キロごとに得点地点を設け、1位で通過した選手には5点、2位は4点、といったように得点が加算。最終的に合計が高い選手が優勝となる。そのほかロードで順位を競うロードレースやクロスカントリーマウンテンバイクなど自転車競技には多くの種目が存在する。

そして先月行われた全日本選手権。プロのレーサーも参加した国内最高峰のレースに一人の少女が挑んだ。中京大学2年、和田見里美。中京大学自転車競技部に所属する彼女は去年の全日本アマチュア選手権、そして全日本選手権の2冠を達成、自転車競技をはじめて、わずか3年での快挙だった。まだオリンピック出場は決定していないものの、日本のトップレーサーにまで成長を遂げた。

オリンピック代表選考に大きく影響する10月に行われた全日本選手権。和田見選手は3000メートル個人追い抜きとポイントレースの2種目に出場。終わってみれば今大会出場した2種目を圧倒的な力で制し北京オリンピック出場へ弾みをつけた。